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体内時計とは?仕組みや乱れる原因・整え方をわかりやすく解説

健康2026.05.13

この記事について

「朝になると自然に目が覚め、夜になると眠くなる」という毎日のリズムは、私たちの体の中にある「体内時計」によってつくられています。

体内時計は睡眠だけでなく、体温や血圧、ホルモン分泌など、全身の働きを一定のリズムでコントロールする重要な仕組みです。
しかし、生活習慣の乱れなどによってこのリズムが崩れると、睡眠の質の低下や体調不良につながることもあります。

今回のコラムでは体内時計の基本的な仕組みから、乱れる原因、整え方までを体系的にわかりやすく解説します。

このコラムは、私が書きました!

北海道科学大学 保健医療学部 理学診療法学科

助教松田 涼Matsuda Ryo

北海道科学大学 保健医療学部 理学療法学科の松田涼(まつだ りょう)です。

理学療法士は、入院で眠れない夜を過ごす患者さんや、病気やけがで将来に不安を抱える方に寄り添いながら、運動を通して「これからの生活」を一緒につくっていく仕事です。
睡眠や生活リズムを整えることも、体の回復を支える大切な要素のひとつなんですよ。

私は現在、AIや機械学習を使って、脳卒中などで入院された患者さんが「退院までにどのくらい回復できるか」を予測する研究に取り組んでいます。
きっかけは、患者さんやご家族の「これからどうなるんだろう」という不安に、もっと根拠を持って向き合いたいと感じたことでした。

医療データと人との関わりを通して、不安を安心に変えたい。
臨床現場と研究をつなぐ架け橋になれる研究者を目指しています。

体内時計とは

体内時計とは、1日の流れに合わせて体の働きを整える仕組みのことです。

朝に目が覚めて、昼は元気に活動し、夜になると眠くなる。
この自然な流れは、体内時計が体全体に指示を出していることで生まれています。

この仕組みは人間だけでなく、動物や植物など、多くの生き物に共通して備わっています。

概日リズム(サーカディアンリズム)とは

体内時計によって生まれる、約24時間ごとのリズムを「概日リズム(がいじつリズム/サーカディアンリズム)」といいます。
体温やホルモンの量などは、このリズムに合わせて1日の中で変化していくのです。

光や時計がない環境でも、このリズムはしばらく続くことがわかっています。
このことから、私たちの体にはもともと「時間を刻む仕組み」があると考えられています。

体内時計は24時間ぴったりではない

体内時計の周期は、実は24時間ぴったりではありません。
多くの人は24時間より少し長い周期となっていて、何もしないと生活リズムは少しずつ後ろにズレていきます。

このズレを毎日リセットしてくれるのが、朝の太陽の光です。
「毎日、朝起きて太陽の光を浴びるのが大切」といわれるのはこのためです。

体内時計の仕組み

体内時計は、脳だけでなく体のさまざまな場所にあり、それぞれお互いに影響しながら働いています。
さらに、睡眠に関わるホルモンや、1日の中で変わる体のリズムともつながっています。

ここでは、「体の中の時計の仕組み」「メラトニンと睡眠の関係」の2つに分けて見ていきましょう。

体の中の時計の仕組み

特に重要なのが、「中枢時計」と「末梢時計」という2つです。

中枢時計は、脳の中にある「司令塔」のような存在で、目から入った光をもとに「今は朝か夜か」を判断し、体全体のリズムを決めます。

一方、末梢時計は、胃や腸、肝臓などの内臓や、筋肉・皮膚など体のあちこちにあります。
中枢時計が決めたリズムに合わせて、それぞれが働くことで体のバランスが保たれます。

なお、末梢時計は中枢時計からの信号に加え、光や食事のタイミングにも強く影響を受けます。
適切な時間に朝ごはんを食べることも、体内時計のずれをリセットして整える上で重要です。

これによって、1日を通じて体の調子が変化します。
例えば、早朝は体温が1日の中で最も低い時間帯で、体はまだ完全には目覚めていません。
起床とともに体温は上昇を始め、活動の準備が整っていきます。

午前10時〜正午ごろは、脳の働きが活発になりやすく、集中力を必要とする勉強や思考作業に向いた時間帯です。
正午前後は記憶の定着がしやすいとされており、授業や学習の内容を整理するのにも適しています。

体温は夕方17時ごろにかけて1日のピークを迎えます。
このため17〜18時台は筋肉の動きも良く、スポーツや運動パフォーマンスが高まりやすい時間帯といわれています。

セロトニン・メラトニンと睡眠の関係

体内時計と深く関係しているのが、「セロトニン」と「メラトニン」というホルモンです。

日中に太陽の光を浴びると、脳内では「セロトニン」が合成されます。
セロトニンは気分を安定させるだけでなく、夜になるとメラトニンへと変換される材料にもなります。

メラトニンは眠気を引き起こすホルモンで、起床後に光を浴びてからおよそ14〜16時間が経過すると分泌が高まり始めます。
例えば朝7時に起床して光を浴びた場合、夜21〜23時ごろに自然な眠気が訪れる計算になります。

なお、朝の光を浴びた直後はメラトニンの分泌がいったん抑制され、体が活動モードへと切り替わります。
光を浴びることは「眠気をリセットして目覚めを促す」役割も果たしているのです。

体内時計が乱れる影響とその原因

あくびをする女性

体内時計は、毎日の生活習慣によって大きく影響を受けます。
まず体内時計が乱れたときに体に現れる「影響」を確認し、次にその「原因」を見ていきましょう。

体内時計の乱れが体に与える影響

体内時計が乱れると、まず自律神経やホルモンの分泌バランスが崩れ始めます。

その結果、睡眠の質が下がり、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることがあります。
体調面でも、だるさや頭痛、食欲不振といった不調が生じやすくなります。

乱れが長期間続くと、エネルギー代謝にも影響が生じ、体重増加や肥満につながるリスクがあります。

さらに、生活習慣病の発症リスクが高まる可能性も指摘されており、長期的な健康管理の観点からも注意が必要です。

体内時計を乱す主な原因

体内時計を乱す原因はいくつかありますが、次のような習慣が挙げられます。

  • 遅い時間までスマートフォンやパソコンを使う
  • 食事のタイミングがバラバラになっている
  • 休日に寝だめをする
  • 朝に太陽光を浴びる習慣がない など

夜遅くまでスマートフォンやパソコンを使うと、ブルーライトが脳を刺激し、メラトニンの分泌が妨げられてしまいます。
夜間の強い光全般が体内時計に影響を与えるため、就寝前の光環境には注意が必要です。

食事のタイミングも見逃せないポイントです。
朝ごはんを抜いたり、夜遅く食べたりすると、胃や腸などにある末梢時計のリズムが乱れ、体全体のバランスが崩れやすくなります。

また、休日に遅くまで寝る「寝だめ」をしている人も多いのではないでしょうか?
一見、足りていない睡眠を補える体に良さそうな行動にも感じますが、起床時刻が大きくズレることで「社会的時差ボケ」を引き起こし、だるさや集中力の低下につながることがあります。

そして、毎朝の太陽光を浴びる習慣がないと、体内時計のリセットが行われずにズレが蓄積していきます。
カーテンを閉めたままや室内にこもりがちな生活では、リセットのきっかけが失われてしまいます。

体内時計を整える方法

体内時計は、毎日のちょっとした習慣で整えることができます。
特別なことをする必要はなく、1日のリズムを意識した生活を送ることがポイントです。

朝の過ごし方

まず意識したいのは、毎日できるだけ同じ時間に起きること。
起床時刻を一定に保つことで、体内時計のリズムが安定しやすくなります。

起きたら窓のそばに移動してカーテンを開け、太陽の光を浴びましょう。
太陽の光は体内時計をリセットする最も重要なシグナルです。

徒歩や自転車での通勤・通学や軽い家事など、体を動かすことを朝のルーティンに取り入れると、体が活動モードに入りやすくなります。

朝ごはんは起きてから1〜2時間以内を目安にとりましょう。
たんぱく質(卵・納豆など)と主食を組み合わせると、体内時計のリセットに働く栄養素をまとめてとることができます。

昼・夕方の過ごし方

昼ごはんは、朝ごはんの4〜6時間後を目安にすると、リズムが整いやすくなります。

夕方17〜18時頃は、運動に適した時間帯です。
軽い運動を行うと、その後の体温の変化がスムーズな入眠につながります。

夕食は、就寝時間の2〜3時間前までに食べ終えることを意識しましょう。
遅い時間の食事は消化器系への負担が大きく、胃腸の末梢時計にも影響を与えるため、体内時計全体の乱れにつながります。

体内時計とは、全身のリズムを調整する体の大切な仕組み

体内時計は、1日のリズムを整える大切な仕組みです。
このリズムが整っていれば、よく眠れ、日中も元気に過ごせます。

一方で、生活習慣が乱れると体内時計も崩れ、体調不良の原因になります。
その状態が続くと、長期的な健康にも影響が出る可能性があります。

朝の光を浴びる、朝ごはんを食べる、夜はスマホを控えるといった基本的な習慣の積み重ねが、体内時計を整える第一歩です。
日々のリズムを意識することが、健康な生活につながります。

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体内時計の乱れは、筋肉や関節の働き、運動パフォーマンスにも影響を与えることがあります。
規則的な運動習慣やリハビリテーションは、体内時計を整える上でも有効であることが知られています。
理学療法士は、こうした体の機能や動きの専門家として、運動療法やリハビリテーションを通じて人々の健康を支えるスペシャリスト。

北海道科学大学 保健医療学部 理学療法学科では、人体の構造・機能から運動療法・物理療法まで、幅広い知識と技術を実習中心で学び、理学療法士を目指します。

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