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韓国の文化といえば?日本との違いも知ろう!

人と社会2024.06.26

この記事について

近年韓国の文化がブームとなっており、K-POPアイドルや韓国のドラマ、マンガなどを目にする機会も多いのではないでしょうか?
韓国は地理的にも日本にとても近く、さまざまな面で似ているところがありますが、文化的に大きく違う面もあります。


今回は、韓国の文化についてご紹介します。
韓国の食事やコミュニケーション、風習などの違いや、韓国ならではの文化についてもお話しします。


このコラムは、私が監修しました!

北海道科学大学 未来デザイン学部 人間社会学科

教授梶谷 崇Kajiya Takashi文化学 文化社会学 日本近代文学

文化学を専門領域としています。特に民芸運動の思想と歴史を主なテーマとして研究をしています。
「民芸」とは1926年に思想家の柳宗悦らが「民衆的工芸」を略して造った言葉です。地方の伝統的な民衆文化のなかで育まれた手仕事による日用工芸品のことをいいます。柳らは民芸に美術品とは異なる美を見いだし、人々が日常生活の中に取り入れることで豊かな社会を実現することを目指しました。
言葉が誕生して100年近くがたちましたが、民芸の思想へ共感する人はますます増えていますし、ライフスタイルや工芸デザインなどの面でわたしたちのものの考えかたに大きな影響を与えています。私のゼミでは、「民芸」を手がかりに、地方の伝統や生活文化を振り返り、価値を検討し、現代社会における意義を明らかにする研究に取り組んでいます。

韓国の文化といえば?特徴をチェック!

韓国の文化について、いくつかの項目に分けて、その特徴をご紹介します。

食事

キムチ、金属製食器

韓国の食事に欠かせないのがキムチ。
キムチにはさまざまな種類があり、各家庭で1年分のキムチを作るという習慣もあります。

食事はおかずがたくさんあるのも特徴的です。
小皿に惣菜やさまざまなキムチを載せ、食べきれないくらいの量を提供します。

「こんなに食べきれるかな…」と心配になるかもしれませんが、心配は無用です。
韓国では、料理を残しても失礼には当たりません。
逆に食べきってしまうと「食事が少なく物足りなかった」と思わせてしまうこともあるのだとか。

日本と同じく箸を利用しますが、金属製の平べったい箸を使います。
また、スプーンをよく使うのも特徴的です。
食器も金属製のものが多く使われていますよ。

美容

韓国コスメ

韓国は美容大国。
最近では、韓国コスメが日本でもたくさん買えますよね。
種類の豊富さ、質の高さに驚く人も多いのではないでしょうか。

それもそのはず、韓国は非常に美意識が高い国であり、美容整形もポジティブに捉えられています。

お金

キャッシュレス決済

韓国はデジタル化が進んでおり、クレジットカードやモバイルアプリ決済の利用率が非常に高いです。
テキパキと行動する人が多いといわれており、サッと会計が済むサービスが受け入れやすいと考えられています。

割り勘の文化はほとんどなく、年長者が払うケースが多いようです。

音楽

K-POPアイドル

K-POPと呼ばれるジャンルが世界的に確立したほど、近年の韓国の音楽は目覚ましい進歩を遂げています。

ダンスや歌のレベルが高いことはもちろん、容姿の良さも重要視されます。
英語の歌詞にするなど世界をマーケットにしている曲も多く、世界的な音楽賞を受賞するまでになっています。

学歴

学歴社会

日本でも学歴は重視されることが多いですが、韓国は超学歴社会で、受験戦争は大変なものだといわれています。
高学歴でないと、就職が不利になってしまうのも特徴的です。

激しい受験戦争を勝ち抜くために、子どもに莫大な教育費をかける人も多いです。
十分な教育費をかけるため、子どもをたくさんもうけるのが難しいといった問題もあります。

風習

韓国の旧正月:ソルラル

韓国では正月を旧暦の旧正月で祝います。
旧正月は日本の正月と同じように、家族や親戚と過ごしたり、旅行へ行く人も多いです。

薄べったい小判のような形のお餅が入ったお雑煮のようなスープ「トックッ」や、野菜・牛肉・韓国式春雨を炒めた「チャプチェ」などを食べて、お正月を祝います。

旧暦が載っているカレンダーも多いので、旧正月はいつなのか、ぜひ探してみてください。
旧正月の時期には、韓国の人のほか、同じく旧暦で正月を祝う中国の人が日本に観光に来ている姿をよく見かけますね。

言語

韓国では「ハングル」を使います。
ハングルとは、韓国語の音を表した文字のことです。
韓国語の語順は日本とほぼ同じなので、日本人にとってもわかりやすいといわれています。

韓国では漢字も使われ、「約束」は「ヤクソッ」、「計算」は「ケサン」など、読み方が似ているものもたくさんあります。

コミュニケーション

日本でも目上の人を敬う文化がありますが、韓国では「目上の人の言うことは絶対」となっています。
学校内でも上下関係が日本より重視される傾向があり、1学年上の先輩でも先輩を立てるという考え方があります。

目上の人を敬うことを重視する背景には儒教の影響が今の色濃く残っているためと考えられます。

日本とは違う!韓国ならではの文化

韓国のペアルックをするカップル

韓国は日本と地理的にも近く、古くから交流があったため、文化的に似ている面が多いですが、大きく異なる部分もあります。

ここからは、日本人が驚くことが多い、韓国ならではの文化を紹介します。

立て膝・あぐらOK

韓国ドラマなどで、床に座り、立て膝をついて食事を食べるシーンを観たことがありませんか?
日本では正座が良い姿勢とされますが、韓国では立て膝はマナー違反ではありません。

韓国では逆に、正座は「罰を受けるときの姿勢」というイメージも強いそうですよ。

食べるときにお皿を持たない

韓国は、日本と同じように米が主食です。
また、基本的にはスプーンで食べ、箸はおかずを取るときに使う程度です。

器を手に持つのはマナー違反とされていて、日本人からすると「あれっ?」と思うかもしれません。

ペアルックをするカップルが多い

日本ではハードルが高いペアルックですが、韓国では頭の先からつま先まで同じというペアルックのカップルを多く見かけます。
カップル用品を専門に扱うお店も多く、ペアルックのほか、完全に一緒ではないけれど似ているファッションをする「シミラールック」も人気です。

湯船に浸かる習慣がない

韓国では湯船に浸かる習慣がありません。
浴槽のない家が多く、シャワーだけで済ませる人がほとんどです。

「チムジルバン」と呼ばれるサウナや銭湯に行くことが多く、チムジルバンに食べ物や飲み物を持ち込んで楽しむ人もいます。

兵役義務がある

韓国では男性には兵役義務があり、18歳から28歳の間に2年間、軍隊に入らなければなりません。
免除になることはほとんどなく、軍隊に行くことこそが韓国の成人男性の証とも考えられています。

梶谷先生お勧め観光スポット!

ソウルで路地裏散歩。「益善洞(イクソンドン)」

益善洞(イクソンドン)
益善洞(イクソンドン)
益善洞(イクソンドン)

ソウルといえば、歴史ある景福宮(キョンボックン)や仁寺洞(インサドン)、王朝時代の貴族が住んでいた家屋が並ぶ北村(プクチョン)など、朝鮮王朝の面影が残る歴史を感じる観光地が思い浮かぶ人が多いと思います。その定番エリアから少し南に下った場所に、少し前から注目を集めている街「益善洞(イクソンドン)」があります。

高層ビルと歴史的建築が混在するソウルのど真ん中で、ぽっかりと時間が止まったようなこの一角。1920年代頃に形成された韓屋が密集し、開発から取り残されたかのようなレトロな路地裏に、実はおしゃれなカフェやバー、ギャラリー、ブティックなどが次々と生まれ、若者たちの人気スポットとして賑わいを見せています。

迷路のように入り組んだ路地を歩いていると、古い家屋をリノベーションした小さなお店が次々と現れます。おすすめの楽しみ方は、地図に頼らず、気の向くままに歩いてみること。スマホなんてみていないで、角を曲がって偶然出会ったお店にふらりと入ってみましょう。

ちなみに、益善洞はもともと焼肉ストリート。昔ながらのローカルな焼肉店がぎっしりと並び、夜になると店の外までテーブルが出てきて、退勤後のサラリーマンたちがワイワイ盛り上がる光景が広がります。そんなローカルな空気に飛び込んで、現地の人に混じって一杯楽しむのも、きっと忘れられない旅の思い出になるはずです。

梶谷先生のお勧め書籍

韓国は文学もおもしろい!

韓国文化というと、映画や音楽、ファッションやグルメを思い浮かべる人が多いでしょう。でも実は今「文学」も、とても人気を集めています。

2024年、韓国の作家ハン・ガンさんがノーベル文学賞を受賞し、大きな話題になりました。韓国文学が世界で注目されるようになったことを示す、象徴的な出来事です。

実はその少し前から、韓国文学は日本をはじめ世界で広がりを見せていました。2010年代には翻訳出版が徐々に増え、特に現代小説への関心が高まっていたのです。そうした流れの中で登場した代表的な作家のひとりが、ハン・ガンさんでした。

日本で韓国文学ブームを起こしたのは、チョ・ナムジュさんの『82年生まれ、キム・ジヨン』(2016年)でしょう。韓国の女性が直面する生きづらさを描き、韓国で社会現象となった作品です。2018年には日本語に翻訳され、映画化もされて、多くの日本人が韓国文学に関心を持つきっかけとなりました。

一方で、私がおすすめするのは軽めの人生エッセイ。韓国文学の魅力はこうした社会的なテーマ以外のところにもあります。

キム・スヒョンさんの『私は私のままで生きることにした』(2016年)や、ハ・ワンさんの『あやうく一生懸命に生きるところだった』(2020年)は、肩の力を抜いて生きることを勧めるエッセイで、韓国でベストセラーとなりました。忙しく、心に余裕をなくしがちな社会は日本と韓国に共通しています。そのため「立ち止まって、自分らしく生きよう」というメッセージが、多くの人の心に響いたのだと思います。

梶谷先生の書籍写真①
梶谷先生の書籍写真②

小説でも、ファン・ボルムさんの『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』が日本でも紹介され、2024年の本屋大賞翻訳小説部門で第1位を受賞しました。書店という場所に導かれて人々が集まり、交流を通して心を回復していく物語は、日本でも大きな反響を呼びました。書店やカフェを舞台にした心温まるストーリーは、日本でも人気があります。生き方を見直す小説は、日韓両国で共感できるジャンルだといえます。

韓国文学は、とても多様で奥行きのある世界です。社会問題や現代史を扱った作品もあれば、ゆっくりと人生を考え直すエッセイや小説もあります。

読みやすい小説がいい人には、『ようこそ、ヒュナム洞書店へ』がおすすめです。日本人にも共感できる悩みが描かれていますし、韓国ならではの人間ドラマも楽しめます。

梶谷先生の書籍写真③
梶谷先生の書籍写真④

韓国の文化は日本と似ているけど違うところもあって面白い!

韓国と日本は地理的に近く、古くから交流もあることから、文化的に似ている面がたくさんあります。

しかし、食生活や美容、言語、コミュニケーションなど、韓国ならではの特徴も多くあります。

例えば食事の面では、日本も韓国も箸を使いますが、使用用途は異なります。
食事のマナーで日本ではタブーとされていることが、韓国では良いマナーとなっていることもありますよ。

ここでご紹介したのはごく一部です。
ぜひ、日本と韓国の文化の違いについて、深掘りしてみてくださいね。

北海道科学大学では韓国に関する講座も行なっています!

北海道科学大学では、人間社会学科の梶谷 崇教授による、「韓国語 はじめの一歩」講座を開催しています。

韓国語の文字であるハングルについて、韓国語学習の導入として、初学者を対象にハングルの仕組みについて解説します。
ハングルは非常に合理的で、ルールを覚えれば1回の講座で文字が読めるようになりますよ。

北海道科学大学未来デザイン学部人間社会学科では、人間、社会、ビジネスについて学び、関心や将来の進路に合わせて学びをデザインすることができます。
ぜひ、北海道科学大学で学んでみませんか?

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