FACULTY

カリキュラムの特長

工学部 機械工学科

機械工学科のカリキュラムの特長

 機械工学科では卒業生のキャリア形成に当たって、エンジニアリングに広く共通する技術基盤を中心として幅広い知識を備えたエンジニアを養成すること、あるいはグローバル化する技術市場の中で独創性に富んだ発想も捉えたエンジニアの育成を主眼としています。従って「学びとしての知識の集積」のみを目指すのではなく、基礎となる知識やツール、スキルを総合して「独自の発想で課題を解決する能力の体得」を目標にしています。そのために教育課程を「HUS スタンダード」、「学部共通科目」、「専門教育科目」の各科目に分類してカリキュラムを編成しています。

HUS スタンダード

 「HUS スタンダード」とは、北海道科学大学でスローガンとして掲げている「+Professional」の根幹を成す「基盤能力」を身につけるため、すべての学部の学生が学ぶ基盤能力育成プログラムです。「基盤能力」は分野や専門性を問わず、社会で求められる力のことを指し、本学の教育で身につけることができる力は以下の 4 つのディプロマ・ポリシーとして表しています。


1.コミュニケーション力
2.課題発見解決力
3.自らを律し、学び続ける力
4.多様な視点から物事を捉え、異なる意見を理解する力


「HUS スタンダード」はこれらの能力を身につけるため、以下の 5 つの学びの特色を備えた全く新しい教育プログラムとして開発されました。


1.異分野間で協働する力を育む複数学部・複数学科混成授業
2.Society5.0 に対応した数理・AI・データサイエンス教育
3.地域課題に主体的に関わる課題発見解決型授業
4.専門外の最先端を学ぶ「+Professional セミナー」
5.SDGs(環境、自然、人権、平和、共生)を多様な視点から学ぶ科目群


具体的には日本語表現法、英語、課題発見解決法、データサイエンス、フレッシュマンセミナー、+Professional セミナー、現代倫理学、SDGs といった 18 科目を開講し、すべての科目が必修科目となっています(一部選択必修科目を含む 20 単位が必修)。特に、情報処理法・統計分析法・データサイエンスの 3 科目はすでに文部科学省「数理・データサイエンス・AI 教育プログラム」に認定されていますが、「HUS スタンダード」ではこれに AI 入門を加えた 4 科目を全学必修科目としており、このプログラムによりすべての学生が数理・データサイエンス・AI の基礎的な能力を身につけることができます。

科目紹介

学部共通科目

 個々の学生の適性や得意分野を見出し、その個性を伸ばす教育の実施に際し、学士としての基本的素養を獲得するための科目群で構成されています。自立したプロフェッショナルとして求められるであろう、多様な領域の専門家と協働するためのコミュニケーション能力の育成や工学全般の知識を身に付けることを目的として、工業英語や工学概論が開講されています。日本人として生きてゆくために必要とされる教養を高めるために日本国憲法があり、さらに体力と共に健全な精神の育成のために体育実技Ⅰ・Ⅱ、健康科学が開講されています。また、個々の適性に応じた職業選択のためにキャリア形成Ⅰ・Ⅱ、ビジネススキルⅠ・Ⅱが開講されています。

専門教育科目

 機械工学は自動車、航空機、鉄道および船舶など便利で快適な社会生活を支えている様々な機械を対象としています。その「ものづくり」のために必要な実践的専門知識、設計技術を系統的に学ぶための科目と、少子高齢化時代を支援する人類のパートナーとして重要な役割を担うロボティクスやメカトロニクスの知識、および創造的ものづくりの基礎を身につけるための科目で構成されています。
 機械工学科では「ものづくり」の基本となる設計、製図の基礎から始まり、応用力を身につけられるように学年進行に合わせてロボティクス入門・メカニクス入門・エネルギー工学入門・マテリアル工学入門、材料力学基礎、機械力学基礎、熱流体工学基礎、品質工学基礎、ロボティクス基礎、メカトロニクス、機械製図、機械工作法演習、工作評価実習およびCAD製図演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲを配しています。さらに理解度を深め創造力を養うための材料力学基礎実験、機械力学基礎実験、熱流体工学基礎実験、機械工学実験、材料工学実験Ⅰ・Ⅱおよび機械設計演習Ⅰ・Ⅱが開講されています。これらにより機械工学における基本となる知識や技能および実践的専門知識と設計技術を身につけることを目指しています。このほかに、技術者の社会的役割を自覚するための技術者の倫理があります。また、専門科目に関連する数理系の基本スキルを身につけると共に、これらを総合的に駆使して「実験、解析、設計、運用」するための能力の育成を目指した機械の数学Ⅰ・Ⅱおよびデータ解析演習Ⅰ・Ⅱが開講されています。
 私たちの快適で便利な生活を支えている様々な機械や装置の設計、開発、生産技術、メンテナンスやサービスにおいて、実践的なエンジニアとして活躍できる人間を養成することは機械工学科における重要な目標の一つです。これら「ものづくり」における不可欠な科目群として機械力学、材料力学、熱力学、流体力学、制御工学および機械材料があり、基礎力と応用力を身に付けるためそれぞれⅠ・Ⅱを開講しています。また応用力と創造力を養うため先端機械技術論、機械設計技術総合演習Ⅰ・Ⅱおよび工業デザイン演習が開講されています。3 年次には、ロボティクスコース、メカニクスコース、エネルギーシステムコースを設けて、各コースにおいて応用的な知識を身につけるために専門応用科目が開講されています。

1. ロボティクスコース

 ロボティクス、メカトロニクス、バイオメカニクスをベースに、それらを融合した技術によって、知的機械システムや人に優しい機械システムの研究開発を行うための知識と技術を修得します。地域の人口減少・高齢化が進む中で、サステナブルな社会の実現のため、多面的視点から課題解決ができる人材の育成を目的とします。このコースでは制御工学Ⅱ、人間・感性工学、ユーザビリティ評価およびロボティクス応用の専門応用科目が開講されています。 

<ロボティクスコースで身につける力>

  • 制御工学、人間工学、生活工学の専門的知識を活用する力
  • 基本的なロボット設計・製作および人間中心設計を実行する力
  • 修得した専門的知識を応用して課題解決策を提案する力

2. メカニクスコース

 機械力学、材料力学や機械要素を主なベースに、人と環境にやさしい機械やシステムの設計・ものづくりに必要な知識と技術を修得します。航空機や自動車、家電製品などエレクトロニクスや情報通信技術との統合が進む近年の機器について、幅広い設計・ものづくりに対応できる技術者の育成を目的とします。このコースでは材料力学Ⅱ、設計工学、機械力学Ⅱおよびメカニクス概論の専門応用科目が開講されています。

<メカニクスコースで身につける力>

  • 機械力学、材料力学の専門的知識を活用する力
  • 基本的な機械設計を実行する力
  • 修得した専門的知識を応用して課題解決策を提案する力

3. エネルギーシステムコース

 熱工学と流体工学を主なベースに、持続可能社会の実現につながるシステムや技術の実現を目指すために必要な知識と技術を修得します。地域の特性を踏まえた脱炭素社会実現を目指して、地域課題や環境に配慮した課題解決策の探究およびものづくりができる人材の育成を目的とします。このコースでは熱力学Ⅱ、流体力学Ⅱ、熱流体数値解析およびエネルギー工学概論の専門応用科目が開講されています。

<エネルギーシステムコースで身につける力>

  • 熱工学、流体工学の専門的知識を活用する力
  • 地域特性を踏まえた脱炭素社会実現のための課題を分析・解析する力
  • 修得した専門的知識を応用して課題解決策を提案する力

科目紹介

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