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お知らせ

第35回北海道臨床工学会において本学学生が受賞しました

2022年10月30日(日)、本学を会場として対面とWEBでハイブリットで「第33回北海道臨床工学会」が開催され、本学学生3名が学生セッションにおいて受賞しました。

学生最優秀賞を大学院保健医療学研究科医療技術学専攻修士1年の清野 嵩澄(せいの たかすみ)さん、学生優秀賞に、臨床工学科4年生深田 晃聖(ふかだ こうせい)さん、臨床工学科4年生大友 玲奈(おおとも れな)さんが受賞しました。

左から 深田さん、大友さん、清野さん

受賞した清野さん、深田さん、大友さんにお話しを伺いました

清野 嵩澄さん

演題名:透析時締結圧の対処方法を予測する機械学習モデルの構築に関する検討

発表者:○清野 嵩澄、渡邉翔太郎、印藤 智一、山下 政司、清水 久恵、中村 実、名和 伴恭

  • 研究テーマを選んだ理由
    学部時代から所属している渡邉翔太郎先生の研究室は臨床工学科で唯一の医療情報システム系の研究を行っています。
    将来、医療業界にも人工知能(AI)を搭載する医療機器の普及が見込まれる中で、臨床工学技士として将来に活かすことができると考え、現在大学院修士課程で研究に励んでいます。

  • 研究内容を教えてください
    今回、通常血圧データと低血圧データをAIの1種である「機械学習」を使用して正しく分類できるか実験しました。おおまかな流れは、機械学習にたくさんの血圧データを勉強させた後に、勉強した傾向から未知の血圧データが通常血圧なのか、それとも低血圧なのか分類テストを行いました。
    正しく血圧データを分類できたら、次は機械学習で血圧値が低下するのか、しないのか予測ができるように研究に取り組んでいきたいです。
    将来的には過去の患者さんの血圧値や症状を勉強させ、未来の血圧値が低下するのか、しないのか、低下するとしたらどの治療がベストなのか分類して予測をすることで、その時に1番適した準備や治療の選択に役立てることができたら良いなと考えています。

深田 晃聖さん

演題名:GMAでのダブルニードル法とシングルニードル法の違いが白血球分画における吸着率に与える影響

発表者:○深田晃聖、渡邊健人、加藤宝貢、中村実

  • 研究テーマを選んだ理由
    臨床現場に寄与する研究を行いたいと思い、潰瘍性大腸炎の治療法である顆粒球単球吸着除去療法(GMA)の研究に興味を持ちました。患者様にとって、より負担の少ない治療方法に関するエビデンス提供をしたいと考え、この研究テーマを選びました。
  • 研究内容を教えてください
    GMAは増えすぎた血液中の白血球を吸着カラムで除去する治療方法であり、これまで治療成績が確立しているダブルニードル(DN)法と患者負担の少ないシングルニードル(SN)法があります。そこで、本研究ではDN法とSN法との違いが治療効果にいかなる影響を与えるのかを実験的に比較検証しました。その結果、患者負担が少ないSN法でもDN法と同等以上の効果が確認されたことから、今後はGMAにおいて負担が少ないSN法が主流になることを期待しています。

大友玲奈さん

演題名:脱気ポンプにおける金属腐食の有無が透析液ラインの熱水消毒に与える影響

発表者:○大友玲奈、清水萌那、中村実

  • 研究テーマを選んだ理由
    血液透析療法では細菌汚染のない透析液を管理し提供することが重要です。そこで、現状よりも安心安全な透析液を提供するための管理に関するエビデンス提供を行いたいと考え、この研究テーマを選びました。
  • 研究内容を教えてください
    現状では治療終了後に薬液を使用して透析装置内の洗浄・消毒を行いますが、その薬液によって装置内に金属腐食が発生することで細菌汚染を助長させてしまいます。そこで本研究では、より安全性が高く環境にもやさしい熱水消毒方法に着目し、その洗浄・消毒効果を比較検証しました。その結果、細菌汚染後6時間以内に熱水消毒を行えば金属腐食があっても細菌汚染のない透析液を提供できることが確認されました。よって今後も透析治療における更なる安全な知見を提供していきたいです。

このたびの受賞、本当におめでとうございます。
今後の更なる活躍を期待しています。