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太陽光発電の仕組みをわかりやすく解説!メリット・デメリットも

科学2025.11.10

この記事について

地球温暖化や環境問題がニュースでよく取り上げられる中で、「クリーンエネルギー」として注目されているのが太陽光発電です。
みなさんも、住宅の屋根や学校の建物、広い空き地などに並んでいる青いパネルを見たことがあるのではないでしょうか。

「どうして太陽の光で電気が作れるの?」
「そもそもどんな仕組みなの?」

今回は、そんな疑問に答える形で、太陽光発電のしくみやメリット・デメリットをできるだけわかりやすく解説します。

このコラムは、私が監修しました!

北海道科学大学 工学部 電気電子工学科

教授矢神 雅規Yagami Masaki電気機器工学 電力工学

専門は電力工学です。

電力工学とは、電気をつくる「発電」から、電気を需要家まで届ける「送電」「変電」「配電」、電気を蓄える「蓄電」などを対象とする学問分野です。
再生可能エネルギーや蓄電池などを利用して電気を安全かつ効率よく生産し、途切れることなく需要家へ届ける、すなわち環境にやさしく災害に強い電力インフラを構築して私たちの生活を持続的に支えることを目標に研究しています。

その中でも家庭や企業で身近な電源となりつつある太陽光発電は、今後さらに普及が期待される重要な電源です。
一方で、天候によって発電量が変動するため、安定供給の観点からは上手に活かすしくみが必要です。

私の研究室では、機械学習モデルを活用した発電量予測や、太陽光発電を利用した電力システム制御に取り組み、再生可能エネルギーを安定的に電力系統へ取り込むための研究を行っています。
太陽のエネルギーを無駄なく使い、より安心できる電力供給を実現することを目指しています。

太陽光発電とは?

太陽光発電とは、太陽から届く光を直接「電気」に変える方法のことです。
仕組みを理解する前に、エネルギーや太陽光について基本を押さえておきましょう。

私たちの身の回りには、「光エネルギー」「電気エネルギー」「熱エネルギー」などさまざまなエネルギーがあります。
エネルギーは形を変えることができ、太陽光発電では太陽の光エネルギーを電気エネルギーに変えます。

ソーラーパネルと太陽光発電システム

屋根などに設置されている四角い板が「ソーラーパネル」です。
ソーラーパネルは、太陽光を電気に変える装置で、「太陽電池」という一枚の板をたくさん組み合わせ、アルミフレームや強化ガラスで保護して作られています。

ソーラーパネルが太陽の光を受けると電気をつくることができますが、実はそのままでは使うことはできません。

作られた電気を使えるようにするには、「パワーコンディショナー」という電池のように一定方向に流れる電気(直流)を私たちが普段使うコンセントの電気(交流)に変える装置や、配線機器などを組み合わせる必要があります。

太陽光発電の仕組みを分かりやすく解説

ここからは、太陽光発電がどのように電気を作るのか、順を追って見ていきましょう。

まず基本となるのは「光電効果」という現象です。
光電効果とは、物質に光を当てると電子(マイナスの電気をもつ小さな粒)が飛び出す仕組みのこと。
この原理を利用するのが「太陽電池」です。

太陽電池には「半導体」という特別な材料が使われています。
半導体は、条件によって電気を通したり通さなかったりする性質を持ち、金属(電気をよく通す)とゴム(電気を通さない)の中間のような性質です。

太陽電池は「N型半導体(電子が多い)」と「P型半導体(電子が少なく正孔と呼ばれる穴が多い)」を組み合わせて作られています。
太陽光が当たると電子が動き、導線を流れます。
この電子の流れこそが「電流」であり、私たちが使える電気になるのです。

ただし、このときにできるのは「直流」の電気で、そのままでは普段使うようなコンセントでは電気を使えません。
そこで「パワーコンディショナー」という装置で「交流」に変換し、コンセントから利用できるようにします。

どれくらい電気が作れるの?

例えば、太陽光発電協会によると、太陽光パネル1kWあたり1日で約2.7kWh、年間で約1,000kWhの電気が作れます。

家庭用の太陽光発電は3〜5kW程度です。

  • 3kWなら年間約3,000kWh
  • 5kWなら年間約5,000kWh

このくらいの電気で、一般家庭の電気代の一部をまかなうことができます。
ただし、発電量は日射量・季節・天候・パネルの角度や方角・気温・影・パネルの汚れなど、さまざまな条件で変わります。

太陽光発電のメリットとデメリット

住宅に設置された太陽光パネル

太陽光発電には多くのメリットがある一方で、注意点もあります。

例えば、メリットには以下のような点が挙げられます。

  • 環境にやさしい
  • 燃料費がかからない
  • 災害時でも太陽が出ていれば電気が使える
  • 電気代の節約や売電収入につながる
  • 可動部がないので機械的な故障が少なく、また運転時に騒音が発生しない

太陽光発電の一番大きなメリットは、地球環境への負荷が少ない発電方法であること。
火力発電のように石炭や石油を燃やす必要がないため、発電時に二酸化炭素を出しません。ただし、設置場所の自然環境や景観への配慮が求められるため、地域に適した計画と併せて導入を進めることが重要です。

また、太陽の光は無料で使えるエネルギーなので、一度設置してしまえば燃料代はかかりません。
さらに、災害で停電になっても、昼間に太陽が出ていれば電気を作ることができるため、緊急時にとても役立ちます。

そして、自分で電気を作ることで電力会社から購入する電気を少なくすることができ、電気代を抑えることができます。
余った電気は電力会社に売ることもできます。

一方で、デメリットには以下のような点が挙げられます。

  • 天候に左右される
  • 夜は発電できない
  • 初期費用が高い
  • 定期的なメンテナンスが必要
  • 設置場所の条件によっては発電効率が下がる

一番大きな課題となるのが、雨や曇りの日は発電量が少なくなってしまうこと。
太陽が出ていない夜の時間は、発電ができません。

また、屋根の向きや周りの建物の影響によっても発電量が変わるため、どこに設置しても同じように効果が出るとは限りません。

設置するときの費用が高いことも課題の一つで、家庭用の場合も数百万円の初期費用がかかることが多いです。
ただし、月々の電気代が抑えられたり、売電収入が期待できることを考えると、長い目で見ればお得になることも多いです。

高い発電効率で使うためにはソーラーパネルに汚れがたまらないように、定期的に掃除をすることも大切です。

太陽光発電の仕組みを理解してエネルギーの未来に役立てよう!

太陽光発電は、太陽の光を直接「電気」に変える仕組みです。
屋根などに設置するソーラーパネルは、半導体でできた太陽電池を組み合わせ、光を受けると電子が動き電流が発生します。

この直流の電気はパワーコンディショナーで交流に変換し、普段使っているコンセントから使えるようになります。

家庭用では3〜5kW規模が一般的で、年間3,000〜5,000kWh程度の電気をつくることができ、電気代の一部をまかなうことが可能です。

太陽光発電には、環境に優しく電気代の節約にもつながるなどのメリットがあります。
一方で、天候や夜間で発電できないことや初期費用の高さ、設置条件やメンテナンスの影響を受ける点には注意が必要です。

こうした特徴を理解した上で、状況に適した利用方法を考えることが大切です。

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講座では、太陽光発電の実験装置を用いて、自然エネルギーの特徴や再生可能エネルギー電源の発電特性を解析します。
日射量、気温、傾斜角によって太陽電池の発電量が変化する様子などを体験的に学ぶことができます。

太陽光発電だけではなく、風力発電についてもご紹介しますので、自然エネルギーに興味のある方は、ぜひご参加ください!

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太陽光発電をはじめとした再生可能エネルギー技術や、それを支える電力システム技術について深く学ぶことができます。

また、道内の私立大学では唯一の「電気主任技術者(第一種)」の認定校でもあります。
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