電気工事士とは?仕事内容や資格の種類を解説



この記事について
みなさんは「電気工事士」という資格をご存じですか?
コンセントやスイッチ、エアコンの設置、さらには電柱の上での工事など、私たちの身の回りにあるさまざまな電気設備を整えているのが電気工事士です。
「電気工事士って、具体的にどんな仕事をするの?」
「資格にはどんな種類があるの?」
「将来、電気の分野で働くにはどうすればいい?」
今回は、こうした疑問に向き合いながら、電気工事士の仕事内容や資格の種類、将来性について、わかりやすくお伝えします!
このコラムは、私が監修しました!
教授佐々木 正巳Sasaki Masami計測工学 電子回路・電子機器
私は、電気工事士の技能試験を受験する学生向けに解説動画を開発・作成しています。
技能試験は、制限時間内に指定された条件に従って電気配線を完成させなければならず、これは事前に十分な練習をしておくことが必要不可欠です。
そのため、技能試験日の約40日前から集中して技能試験対策講座(技能講習)を実施しており、受験者が事前に十分な電気配線技術を身に付けることができるように取り組んでいます。
その技能講習では、その日に取り組む電気配線に対するイメージトレーニングを事前に行っておくことがとても重要です。
それを少しでも効果的にできるように、電気配線の手順や注意点、ポイントとなる点などを解説動画として作成・提供するための研究を進めています。
その際、若い人になじみやすいように合成音声と字幕を活用したり、クイズ形式を盛り込んで記憶に残りやすい動画にしてはどうだろうかと、日々、いろいろなアイデアを絞り出しては検討しています。
私たちが豊かな生活を送るために必要な電気エネルギーを安心して利用するためには、そのための設備を構築していく人材の育成がとても重要です。
その一端を担う電気工事士を一人でも多く輩出していくことで、社会に貢献していきたいと思っています。
目次
電気工事士とは
電気工事士は、「電気工事士法」に基づいて国家資格として定められている専門資格です。
電気設備に関わる工事は、感電や火災といった事故の危険があるため、有資格者のみが従事できると定められています。
電気工事士は、電気工作物の安全を守るために必要な専門知識と技術を備えたスペシャリストです。
電気工事による事故や災害を未然に防ぐという社会的な役割も担っています。
電気工事士の資格が必要な工事は、一般家庭や商店の屋内配線、小規模な太陽光発電設備、さらには高圧受電のビルや工場まで幅広く、さまざまな現場で欠かせない存在です。
資格は「第一種電気工事士」と「第二種電気工事士」の2種類に分かれており、それぞれ対応できる工事の規模や範囲が決まっています。
電気工事士の仕事内容をチェック!

一口に電気工事士と言っても、活躍の場はさまざま。
私たちが暮らすビルや家を彩る「建築電気工事」もあれば、電車や列車を安全に走らせるための「鉄道電気工事」というスケールの大きな分野もあります。
また、近年は太陽光発電設備の普及やオール電化住宅の増加、通信インフラの拡張などを背景に、活躍の場がさらに広がっています。
そして、本来の役割である施工(工事)を担うだけではなく、現場を知り尽くした電気工事士の視点からの意見が、設計を左右することも珍しくありません。
設計者の想いを現実の形に落とし込んでいくクリエイティブさを持ち、現場の匠として信頼される。
電気工事士は、そんな知的なかっこよさを秘めた魅力的な資格です。
建築電気工事
住宅・オフィス・ビル・工場・病院など、さまざまな建物の電気設備の施工を、そこで暮らしたり働く人々の安心・安全を最優先で実現できるように行います。
そのため、コンセントや照明といった身近な設備から、大型機器の制御回路や変電設備の配線まで、さまざまな業務に携わります。
主な作業は以下のとおりです。
外線配線工事
電柱から家庭やビルへ電気を供給するための屋外作業で、電線の設置や接続を行います。
地上だけでなく、地中に電線を埋設するケースもあります。
屋内配線工事
建物内部で電源やケーブルを適切に配線し、照明・スイッチ・コンセントなどを安全に使用できる状態に整えます。
冷暖房設備工事
エアコンなど空調機器の設置・撤去に伴う電気工事です。
家電量販店などから依頼を受けるケースも多くあります。
ビル管理
電気設備の点検・保守に加えて、空調・給排水・エレベーターなど、建物全体の設備管理を幅広く担当します。
電気工事士であれば、異常を見つけるだけではなく、場合によってはその場で修理することもできます。
このように、一度の工事ではなく、長期的に建物の維持管理に関わる仕事です。
鉄道電気工事
電車の安全かつ正確な運行を支えるために、鉄道関連の電気設備の施工・保守を行います。
日本の電車の時刻どおりの運行は、こうした設備と電気工事士の技術によって支えられています。
主な作業は以下のとおりです。
変電設備工事
電力会社から供給された電気を、電車で使用できる電圧に変換する変電設備などの工事や保守を行います。
架線・線路工事
電車の上にある集電装置(パンタグラフ)に電力を送るための電線(トロリ線・架線)の設置や維持管理を行います。
安定した電力供給を支える重要な工事です。
駅の電気設備工事・点検
改札機・照明・案内モニター・空調など、駅構内の各種電気設備の設置や定期点検を行います。
電気工事士の資格の種類と違い
最初にお伝えした通り、電気工事士の資格は「第二種電気工事士」と「第一種電気工事士」の2種類があり、対応できる工事の規模や範囲、また試験の難易度が異なります。
それぞれの特徴を理解しておきましょう。
第二種電気工事士ができること
第二種電気工事士は、受電電圧600V以下の一般住宅や小規模施設の電気工事を担当できる資格です。
スイッチやコンセントの設置・交換・移設、照明器具の設置、電源配線や配線工事を伴う防犯カメラの設置など、日常生活に身近な工事を幅広く担当することが可能です。
また、資格を取得することで、自宅のコンセントを増やしたり、配線が必要な照明器具の交換をしたりと、法令の範囲内でのリフォームやDIYにも活用できます。
第一種電気工事士ができること
第一種電気工事士は、第二種電気工事士が対応できる工事に加え、さらに幅広い施設・設備の電気工事に携われる上位資格です。
最大電力500kW未満の自家用電気工作物※を扱うことができ、病院・ショッピングモール・オフィスビル・工場といった大規模施設の工事も担当できるようになります。
※自家用電気工作物:電力会社から高い電圧(600Vを超える高圧)で電気を受け取って使用する施設の電気設備のこと。一般家庭(低圧受電)とは区別される。
また、高圧の送配電線路に関わる工事にも対応可能で、電線の接続や配電盤を壁や柱などに取り付ける作業などを行えます。
試験の難易度・合格率
第一種電気工事士、第二種電気工事士とも、学科試験と技能試験の両方に合格する必要があります。
一般財団法人電気技術者試験センターによると、第二種電気工事士試験の令和7年度下期の学科試験合格率は55.4%、技能試験合格率は71.4%。
第一種電気工事士試験は学科・技能ともにやや難易度が高く、令和7年度下期の学科試験合格率は57.9%、技能試験合格率は60.3%と、全体として第二種電気工事士よりも難しい傾向があります。
免状取得の条件と講習義務
電気工事士として仕事をするためには、学科・技能試験の合格に加え、免状を取得する必要があります。
第二種電気工事士は試験合格後、都道府県に申請して免状を取得でき、有効期限はありません。
一方、第一種電気工事士の免状の取得には試験後に3年以上の実務経験が必要で、取得後は5年ごとに定期講習の受講が義務づけられています。
電気工事士の将来性と向いている人

電気工事士は、社会インフラを根底から支える重要な職業です。
将来性やメリットに加え、向いている人の特徴もチェックしておきましょう。
電気工事士の将来性・メリット
電気の需要は今後も安定して続くと考えられており、電気工事士が活躍できる場は引き続き広がっていくと見込まれています。
例えば、AIの普及にも電気工事士が必要不可欠なんです。
AIの普及によりAIデータセンターの建築・稼働が急ピッチで進められていますが、AIデータセンターを動かすためには多くの電力を必要とします。
それらを動かすために必要な電気工事の一端を担うのが電気工事士です。
専門技術を長く生かせる
電気工事は国家資格を持つ人しか行えないため、資格そのものが専門性の証明になります。
経験を重ねるほど技術が磨かれ、安定して働き続けやすい職種です。
就職・転職の選択肢が広がる
電気工事会社や建設会社、ビル管理会社など、資格を必須または優遇条件とする企業は多く、年間を通じて求人があります。
キャリアチェンジもしやすい資格です。
安定した収入が見込める
2024年の電気工事士の年収の平均は547.6万円とされており、安定した収入を見込める仕事です。
※参考:厚生労働省 職業情報提供サイト「電気工事士」
第一種資格と実務経験によってより高い年収を目指すこともできます。
独立・開業も目指せる
一定の経験を積めば、独立して自分で会社を立ち上げることも可能です。
地域のニーズに応えながら働く道も開けています。
電気工事士に向いている人の特徴
電気工事の現場は、細かい作業から屋外の力仕事まで幅広い場面があります。
どんな人が向いているのか、特徴を確認しておきましょう。
丁寧で正確な作業ができる人
配線や器具の取り付けなど細かな作業が多いため、集中して丁寧に取り組めることが重要です。
体を動かす仕事に抵抗がない人
屋外や高所、狭所などさまざまな環境で作業を行うため、体力面や健康管理も求められます。
安全意識が高い人
電気は扱いを誤ると重大な事故につながります。
ルールを守り、慎重に作業できる責任感が欠かせません。
学び続ける姿勢がある人
電気設備の技術は日々進化しています。
新しい知識や技術を積極的に吸収する姿勢が、長く活躍するためのポイントです。
電気工事士とはどんな仕事内容か知って資格取得を目指そう!
電気工事士は「電気工事士法」に基づく国家資格で、電気設備工事を担うスペシャリストです。
高度な知識と技術を持って、事故や災害を未然に防ぐ重要な役割を担い、住宅や商業施設、工場、鉄道、病院など幅広い現場で活躍しています。
仕事は建築電気工事と鉄道電気工事に大別され、屋内外の配線や設備の設置、保守・点検などさまざまです。
資格は第二種電気工事士と第一種電気工事士の2種類があり、第二種電気工事士は一般住宅や小規模施設、第一種電気工事士は大規模施設や高圧設備まで対応可能です。
電気需要は今後も安定して見込まれるため、将来性の高い職種といえます。
就職・転職の選択肢も広く、安定した収入や独立も目指せる点が魅力です。
丁寧で正確な作業ができ、安全意識が高く、知識や技術を継続して学び続けられる人には向いている仕事です。
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