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薬学科の三原義広講師と株式会社常光が水質浄化のための新手法の共同研究を開始します

薬学科の三原義広講師と株式会社常光(東京都)は、水質浄化のための新手法の共同研究を、2020年2月より開始します。

 

2030年に世界の人口は、現在から10%増え85億人に達すると言われています。これに伴い、①世界の水需要が年2%ずつ増え、6兆9000億立方メートルに達する、②安定的に利用可能な水資源の量が、2030年には40%不足する、と言われており、これらの問題から水供給・衛生分野の持続可能な開発目標(SDGs)では、①有害物質の汚染がない飲料水質、②敷地内で水が使えるアクセス性、③必要なときに使える利用可能性の3点を安全な水として、各国課題に取り組んでいます。

独立行政法人国際協力機構(JICA)では、①省エネルギー、②省スペース、③維持管理の容易さをキーワードに、安全な水確保のため、民間企業の技術や発送を活用したイノベーションへ期待を示しています。

 

三原講師は、電気などの動力を用いずに浮沈を繰り返すゲルの作製技術を確立しており、この技術を利用することにより、有害物質を含む水の浄化を、安価、小規模に実施することができる可能性があります。今回の研究成果により、将来は浄水場建設等だけではカバーできていない地域の飲料水問題の解決につなげることができます。

 

本研究で用いられる三原講師の「微生物発酵等を起動エネルギーとして水中で浮沈を繰り返すゲル技術」の特長は下記のとおりです。

(1)微生物の発酵等を動力としているため、電気などのエネルギーを必要としません。

(2)ゲルのみで水質浄化が可能であり、広いスペースを必要としません。

(3)特別な設備を必要としないため、維持管理費が必要ありません。

 

●汚染物質の吸着と回収の概念図

 

本研究において本学は、長時間継続した浮沈を可能とするゲルの開発を役割としており、今後、株式会社常光と共同で研究を進めていきます。

是非ご期待ください。

 

※2020年2月5日(水)発行の日本経済新聞に、本研究についての記事が掲載されました。

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三原義広先生 薬学科