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薬学科の千葉健史講師の研究により乳腺の新たな生理機能が発見されました

本学薬学科の千葉健史講師が、ストレスによって生じる母乳成分の変化に、乳腺で合成されるノルアドレナリン(NA)の作用が関与していることを明らかにしました。

 

母乳中 NA の生理的役割・意義については引き続きの調査・研究が必要ですが、今回の発見は、母乳が出ないと悩む母親に対する改善方法の開発や、より乳児に有益性の高い人工乳の開発等への貢献が期待されます。また、本研究成果は、米国内分泌学会の機関誌 Endocrinology 誌に掲載されます。

 

【研究概要】

本学薬学科の千葉健史講師は、日本薬科大学薬学部の前田智司教授、岩手医科大学薬学部の工藤賢三教授、埼玉医科大学総合医療センターの菊池昭彦教授らの研究グループとともに、授乳期のストレスによって引き起こされる母乳成分の変化や母乳産生の抑制に、乳腺上皮由来の母乳中 NA が関与していることを明らかにしました。

 

 

【研究のポイント】

母乳産生を担う乳腺上皮細胞は、NA を自ら合成し、母乳中へ分泌していることを発見。授乳期にストレスを受けたマウスでは、母乳中 NA 濃度の上昇が起こる一方で、乳幼児の成長に関わるタンパク質の母乳中β-カゼイン濃度は減少することが分かりました。ストレスによる母乳中の β-カゼイン濃度の減少には、乳腺上皮細胞に対するアドレナリン β受容体を介したノルアドレナリンの作用が関与していると考えられます。

 

※ノルアドレナリン(NA):激しい感情や強い肉体作業などで人体がストレスを感じたときに、交感神経の情報伝達物質として放出されたり、副腎髄質からホルモンとして放出される物質。

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千葉健史先生 薬学科