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北海道発「WE-DO Hokkaido 0期」を開催しました

2026年9月5日(土)・6日(日)の2日間、北海道科学大学を会場に、医療法人稲生会と本学が連携して取り組む「WE-DO Hokkaido 0期」の夏期プログラムを開催しました。

WE-DO Hokkaidoは、障害や病気のある若者とともに、「じりつ(自立/自律)」の多様なかたちを探究し、育てていくことを目的としたプログラムです。

若者本人の選択を起点に、医療・教育・福祉などの立場を越えて関わりながら、「じりつ」の捉え方を更新していくことを目指しています。また、参加する若者だけでなく、大学生やスタッフなど、関わるすべての人の学びと変化を大切にしています。

今回は、2027年度からの本格実施に向けた「0期」として、北海道で初めて実施しました。

6月からチームで重ねてきたオンラインプログラム

9月の対面プログラムに先立ち、6月から障害や病気のある若者、大学生、スタッフがチームとなり、オンラインでの事前プログラムを重ねてきました。

自己紹介やチームビルディングを通して少しずつ関係をつくりながら、「みんなで何をしてみたいか」を話し合い、それぞれのチームで9月に実行する「アクションプラン」を考えてきました。

そして9月5日、これまでオンラインで交流してきたメンバーが北海道科学大学に集まり、2日間の夏季プログラムがスタートしました。

4つのことを大切に、対面プログラムがスタート

1日目のオープニングでは、プログラムを通して大切にする4つのことを参加者全員で確認しました。

「伝える気持ちを大切にしよう」
「分かり合えると信じよう」
「当たり前を壊そう」
「みんなで挑戦しよう」

午前中は、各チームでアクションプランの行き先や移動方法などを最終確認しました。

テクノロジーによって広がる「できる」を体験

午後には、テクノロジーフィッティングを実施しました。

会場には、視線やスイッチを使って操作するコミュニケーション機器や、iOSのアクセシビリティ機能などが用意され、参加者は実際に触れながら、さまざまな操作方法を体験しました。

視線で画面上の項目を選んだり、絵を描いたりする体験のほか、スイッチを使った操作などにも挑戦しました。実際に体験した学生たちは、視線だけで画面を操作できることに驚く一方で、狙った場所を見続けることや、タイミングよくスイッチを操作することの難しさも体感しました。

また、機器を使ったゲームでは参加者同士の対戦も行われ、会場から歓声が上がるなど、大いに盛り上がりました。

テクノロジーを「見る」だけでなく、自分自身で操作してみることで、それぞれの機器の特徴や、一人ひとりに合った方法を工夫することの大切さを知る機会となりました。
WE-DO Hokkaidoでは、テクノロジーの活用を含めた、一人ひとりに合った学び方や生活の体験もプログラムの大切な要素としています。

「やってみたい」をチームで実行するアクションプラン

その後は、それぞれのチームが大学を飛び出し、事前プログラムから考えてきたアクションプランを実行しました。

札幌中心部や小樽へ出かけるチーム、バス・JR・地下鉄など複数の公共交通機関を利用するチーム、買い物や食事、カラオケなどを楽しむチームなど、それぞれの「やってみたい」から生まれたプランはさまざまです。

公共交通機関を利用するチームでは、車いすやバギーで利用できる乗車方法、スロープ、エレベーターなどを事前に調べたり、交通事業者へ問い合わせたりしながら準備を進めました。

一方、予定していた店舗が臨時休業していることが分かったチームでは、あえて代わりの店を事前に決めず、「その場で相談して決める」という選択をしました。実際に街を歩きながら見つけた店に入り、予定変更もポジティブに捉えて、メンバーでみんなで相談しながら決めること、その出来事を楽しむ姿が見られました。

実際に「やってみた」からこそ見えてきたこと

9月6日の2日目は、前日のアクションプランをチームごとに振り返りました。

たくさん撮影した写真の中から、それぞれのチームらしさや印象に残った場面が伝わる写真を選び、「うまくできたこと」「困ったこと」「工夫したこと」「感じたこと」などを整理しました。

発表では、さまざまな気づきが共有されました。

あるチームからは、声だけではなく、表情や身振り、手振りなど、いろいろな方法を使ってコミュニケーションをとることができたという振り返りがありました。
また、実際に街へ出てみると、歩道の傾きや凹凸が想像以上に大きく、バギーでの移動に苦労したことや、気温や体調を考慮して途中で予定を変更したことなども紹介されました。

カラオケへ出かけたチームでは、事前に広い部屋を予約していましたが、実際に行ってみると入口の幅や段差、車いす対応トイレの広さなど、事前には分からなかった課題も見つかりました。そこで、机や椅子の位置を工夫し、全員がお互いの顔を見ながら一緒に歌ったり踊ったりできる空間を自分たちでつくりました。

公共交通機関を利用したチームからは、バスやJR、地下鉄を利用するために、事前に乗車方法や設備を確認したことでスムーズに移動できた一方、人混みの中での乗り降りなど、実際に利用したからこそ気づいたことも共有されました。

一緒に考え、一緒にやってみる

各チームの発表では、予定どおりにできたことだけでなく、思いどおりにいかなかった場面でどのように考え、行動したのかも共有されました。

「どうしたらできるだろう」
「違う方法ならできないだろうか」
「みんなでどう動けばよいだろう」

その場その場で一緒に考えながら行動したことが、それぞれのチームの経験として語られました。

また、学生からは、初めは「何に気をつければよいのか」「どう関わればよいのか」と迷う場面もあった一方、活動を重ねる中で、「支援する人」としてではなく、一人のチームメンバーとしてどう一緒にいればよいのかを考えるようになったという振り返りもありました。

閉会にあたり、プログラムディレクター西理沙さんからも、正解のない中で悩んだり、考えたりした時間そのものに価値があり、障害のある若者、大学生、スタッフが「みんなでやる」ことを大切にしてきたことが伝えられました。

0期から、次の一歩へ

最後には、2日間のプログラムを終了した各チームへ修了証が贈られました。
6月から始まったオンラインでの交流、チームでの話し合い、そして2日間の対面プログラム。
障害や病気のある若者、大学生、スタッフなど、多様なメンバーがチームとなって「やってみたい」を一緒に考え、実際に行動したWE-DO Hokkaido 0期が終了しました。

今回の経験や気づきは、参加した一人ひとりの将来の選択につながるだけではなく、医療・教育・福祉の枠を越えた支援のあり方や、インクルーシブな社会づくりに向けた実践的な知見として、地域や社会へ還元していくことを目指しています。

WE-DO Hokkaidoは、2027年度の本格実施に向け、今回の0期で得られた経験や参加者の声を第1期プログラムにつなげていく予定です。