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手稲区主催「手稲タンケンツアー」参加の皆さんが本学を訪れました|2025年度

手稲タンケンツアーで100年前のクルマと出会う! ~小学4年生がT型フォードを通じて自動車の歴史を学びました

2025年10月26日(日)、手稲区が主催する「手稲タンケンツアー」を開催し、手稲区内の小学4年生20名が本学を訪れました。

機械工学科の北川浩史准教授による特別講義として、自動車の歴史をテーマにした学びのプログラムを実施。
講義終了後は、場所をJITANPARKへ移し車両の見学を実施しました。
本学が所有する1926年製「T型フォード」が登場し、子どもたちは100年以上前の自動車に間近で触れながら、ものづくりの原点を体験しました。

講義「自動車の歴史~T型フォードから電気自動車へ~」

蒸気・電気・ガソリン――100年前の“エコカー”たち

講義では、最初の自動車「キュニョーの砲車」(蒸気で動く車)から始まり、19世紀末~20世紀初頭に存在した3つの動力方式――「蒸気」「電気」「ガソリン」車について紹介。
「実は100年前にも電気自動車があったんです」と北川准教授。
しかし当時は充電に非常に長い時間がかかるなど、効率の課題から一度姿を消し、ガソリン車が主流になったといいます。
さらに、当時すでに“ガソリンと電気のハイブリッド車”も存在していたことが紹介され、子どもたちから驚きの声もあがりました。

「大衆のためのクルマ」をつくったフォードの理念

北川准教授は、1900年のニューヨークの街並みの写真を見せながら、わずか10年の間に馬車から自動車社会へと変わった歴史を解説。
その転換点となったのが、1908年から大量生産された「T型フォード」です。
わずか20馬力、最高速度60kmながら、部品構造を簡素化し、タイヤのホイールや床板に廃材を再利用するなど、環境に配慮した設計思想も紹介されました。

「私は大衆のために自動車をつくります」――創業者ヘンリー・フォードの言葉が印象的に紹介され、ものづくりの原点と社会への貢献の大切さを学ぶ時間となりました。

北海道科学大学とT型フォードのつながり

講義中では、「なぜT型フォードが北海道科学大学にあるのか?」という疑問への答えも明かされました。
学校法人北海道科学大学は、「自動車運転技能教授所」として始まり、T型フォードは当時実際に教習車として使われていたものです。
長い年月の中で、動かなくなった時期もありましたが、法人創立100周年にあたる2024年に向けて2018年に「T型フォード再生プロジェクト」が立ち上がり、再び走行可能な姿へとレストアされました。

現在は、本法人と包括連携協定を締結している株式会社ニトリホールディングス及び公益財団法人似鳥文化財団と共に「ニトリクラシックカープロジェクト」として、同じフォード社のA型フォードや、デトロイト(電気自動車)のレストアを進めています。

子どもたちの熱心な姿勢と学びの瞬間

講義中、子どもたちは北川准教授の話に真剣に耳を傾け、メモをとったり、積極的に質問したりする姿が見られました。
見学後には、T型フォードの前で記念撮影を行い、100年前の自動車の存在を肌で感じる貴重な体験となりました。