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お知らせ

2022年11月25日

原子間力顕微鏡の設置が決定しました

北海道の私立大学では初の設置

この度、文科省公募の私立大学等研究設備整備費等補助金に採択され、本学に『原子間力顕微鏡』を設置する運びとなりました。

北海道の私立大学では初めての設置となり、北海道内では2件目の導入という希少性の高い設備となります。(2022年11月現在 本学調べ)

私立大学等研究設備整備費等補助金とは

私立の大学における学術の研究並びに私立の大学・短期大学・高等専門学校及び専修学校における特色ある教育を促進するため、研究設備、教育基盤設備の整備に要する経費の一部が補助される文部科学省の補助金です。

今回本学がこれに採択され『原子間力顕微鏡 NanoWizard 4 XP BioScience(Bruker社)』という高度な研究設備の導入が可能となりました。

『原子間力顕微鏡』とは

『原子間力顕微鏡』でナノスケールの解析が可能に!

一般的な市販の光学顕微鏡の分解能*は約400~600 nmであるので、例えば、細胞、真菌、細菌などは確認できても、100nmぐらいの大きさであるインフルエンザウィルスを見ることはできません。

一方、『原子間力顕微鏡』の分解能は1nmよりも小さく、ウィルスはもちろん、原子像(条件にもよりますが)なども観察できます。

『原子間力顕微鏡』では大気中や溶液中で金属などの表面の微小構造や硬さを観察することが可能で、エレクトロニクス分野、材料化学分野などでの新規材料の改良や開発に応用でき、また、個々の分子や粒子などを観察することで機能性食品、新たな薬などに関する知見が得られます。

*分解能:接近した2つの点が、それ以上近づくと、(拡大像の上でも)区別できなくなる限界の距離

『原子間力顕微鏡』 NanoWizard 4 XP BioScience(Bruker社)の性能

本装置により、大気中、溶液中においてナノレベル(1mmの1/1,000,000)の分解能で試料表面の形状像と硬さの情報を同時に得ることができます。

走査速度は最大150本/秒で走査範囲は最大100μmとなり、市販のAFM*製品の中ではトップレベルの速さで形状と硬さを測定することが可能な最先端のAFM*技術を取り入れた装置です。

観察対象としては金属など無機材料(薄膜、コーティング、エレクトロニクス材料など)、加工食品、細胞など特に制限はありません(観察領域で数μmを超える凹凸が多い試料、深い溝のあるの観察には不向きです) 。
また、試料はマイカ、シリコンなどの基板上に固定化する必要があります。

*AFM: Atomic Force Microscope(原子間力顕微鏡)

武田先生に『原子間力顕微鏡』を活用した研究の展望について伺いました

  • 武田先生ご自身の研究でどのように活用予定ですか?
    タンパク質などと薬物などの相互作用の解析など幅広く利用する予定です。
  • 学内での活用について
    本装置は工学部などでの材料の開発、評価にも利用できる可能性があります。説明会、講習会などで、気軽に相談して活用して欲しいと思います。
    本装置を利用した共同研究も可能ですので本学研究推進課まで問い合わせをお願いします。