油空圧機器技術振興財団「優秀論文賞」を受賞|機械工学科・浪花 啓右准教授らの研究成果
機械工学科の浪花 啓右准教授(大阪大学在籍時)が共著者として参画した研究論文「張力フィードバックによる拮抗二関節筋の自律的協調制御」が、公益財団法人 油空圧機器技術振興財団による優秀論文賞を受賞しました。


本賞は、同財団からの推薦依頼に基づき学会より推薦された論文のうち、油空圧技術の進展に寄与すると評価されたものに対して贈られるものです。
受賞論文は、SICE論文集 Vol.60、 No.1(計測自動制御学会)に掲載されたもので、空気の力で動く人工筋肉を使ったロボットに、動物のような動きを自律的に生み出す仕組みを与える研究です。
研究の概要
本研究では、動物の脚のように、関節をまたいで配置された「二関節筋(にかんせつきん)」を模したロボットの脚に、空気圧で動く人工筋肉(マッキベン型人工筋)を使って動力を与えました。
そして、筋肉にかかる張力(引っぱる力)をセンサで測りながら制御することで、歩く・立つ・走るといった動きをロボット自身が“自律的”に選びとって実現することをめざしました。
実験では、センサの設定(ゲイン)を少し変えるだけで、歩行や静止、ランニングのような動きが自然に切り替わることが確認されました。これはまるで、動物が筋肉のバランスをとりながら、その場の状況に応じて動きを切り替える様子に近いといえます。
こうした仕組みは、将来的により賢く柔らかく動けるロボットの実現につながるものであり、義足やリハビリ装置,災害現場での支援ロボットなど、さまざまな応用が期待されます。
- 論文情報:
- • 論文名:「張力フィードバックによる拮抗二関節筋の自律的協調制御」
- • 掲載誌:SICE論文集 Vol.60、 No.1(2024年)
- • 著者:中西 大輔(松江工業高等専門学校)、門𦚰 唯菜(松江工業高等専門学校)、重松 大樹(松江工業高等専門学校)、浪花 啓右(大阪大学)、杉本 靖博(大阪大学)
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