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薬学研究科大学院生が「日本化学療法学会 学術奨励賞」を受賞しました

薬学研究科博士課程4年の髙田慎吾さん(指導教員:薬学部薬物治療学分野 山田 武宏教授)が、2025年5月に横浜で開催された「第72回日本化学療法学会総会」において、「学術奨励賞」を受賞し、表彰されました。

この賞は、医師・薬剤師・臨床検査技師など、感染症治療に関わる多くの医療専門職が所属する日本化学療法学会が主催する全国学会において、優れた発表を行った研究者に贈られるものです。

基礎分野においては全国の発表者から選ばれたのが髙田さん1名のみであり、その意義は大きいと言えます。

学会場のパシフィコ横浜で、表彰状を手に指導教員の山田教授とともに撮影
学会での授賞式の様子(パシフィコ横浜、2025年5月10日)。日本化学療法学会理事長である高橋 聡理事長(札幌医科大学医学部教授・感染制御・臨床検査医学)より表彰状が手渡されました
受賞スピーチの様子

受賞テーマ

受賞対象となった研究テーマは、「Piperacillin/tazobactamの併用がVancomycin誘発腎毒性に及ぼす影響~近位尿細管上皮細胞を用いた検討~」です。
抗菌薬Vancomycin(バンコマイシン)は、耐性菌感染症に用いられる重要な薬剤ですが、副作用として腎機能障害を引き起こすことがあります。
さらに、重症例などで併用されることのある抗菌薬Piperacillin/Tazobactam(ピペラシリン/タゾバクタム)との併用により、腎障害リスクがさらに高まる可能性があることが臨床的に指摘されてきました。
しかし、なぜ毒性が高まるのか、その機序は未解明のままでした。

髙田さんは、山田教授の指導のもと、ヒト腎近位尿細管上皮細胞を用いた実験モデルにより、この併用による毒性発現のメカニズムを一部解明し、学会にてその成果を発表しました。

全国規模の医学系学会である本学会で、北海道科学大学の学生が学術奨励賞を受賞するのは初めてのことであり、大変名誉なことです。

研究の今後のさらなる展開が期待されます。