苫米地 司理事長と建築学科 千葉 隆弘教授が「2024年度北海道雪氷賞」を受賞しました
苫米地理事長が【北の蛍雪賞】、建築学科 千葉教授が【北の六華賞】を受賞


▼「北海道雪氷賞」とは▼
本賞は、日本雪氷学会北海道支部の機関誌「北海道の雪氷」に掲載された論文、ならびにこれまで雪氷研究に携わり、積雪寒冷地の社会生活や北海道支部の活動に貢献した団体や個人に贈られるものです。
受賞のコメント
【北の蛍雪賞】 苫米地 司 理事長
- 受賞名:建築物と雪害に関する研究の発展ならびに支部活動への貢献
- 受賞のコメント:
「北の蛍雪賞」受賞に際し、ご推薦頂きました皆様に感謝申し上げます。さらに、私の研究室出身の千葉君が「北の六華賞」を受賞したことは、二重の喜びであります。
私は、1981の「56豪雪」を契機に、当時の北海道工業大学教授遠藤明久先生のご指導の下、建築雪氷工学の研究を始めました。冬は、キャンパス内にある実験棟4棟の屋上積雪深や積雪密度の観測が日課。夏は気象台の資料室で気象資料の書き写し作業と、アナログの世界が続きましたが、色々なデータが体に染みつくようになったことが思い出されます。その後、風洞装置や低温実験室が整備され、通年を通じて研究活動ができるようになり、遠藤先生そして大学に感謝するばかりです。
雪氷学会北海道支部の研究発表は、1983年に初めて行いました。発表方法や梗概集の書き方が、工学系の建築学会と大きく異なることに驚いたことも忘れません。その後も、大学院生と共に研究発表を毎年続ける中で、多くの皆さんとの出会いで研究の幅を広げることができ、私自身の成長の場であったと感じています。これらの研究の継続で、北海道工業大学(現、北海道科学大学)が、小さいながらも「建築雪氷工学」の研究拠点の一つになったことは嬉しい限りです。
改めて、ご推薦頂きました皆様に感謝申し上げるとともに、雪氷学会北海道支部の充実と発展を祈念し、感謝の言葉とします。ありがとうございました。
【北の六華賞】千葉 隆弘 教授(建築学科)
- 論文名:「北海道における雪による人身事故の発生状況について −2020 寒候年以降における事故の発生状況と拡大要因に関する分析−」
- 受賞のコメント:
この度は、北の六華賞という素晴らしい賞をいただき、大変光栄に思っております。雪下ろしによる積雪荷重の低減を行わずに設計されているはずの北海道の木造住宅を対象とした雪下ろしに起因する人身事故を低減するための研究ですが、事故はなかなか減少していないのが現状です。個人的には札幌市に20年以上住んでおりますが、これまで一度も屋根に上がって雪下ろしを行ったことがなく、雪下ろしを行う習慣は微塵もありません。むしろ、屋根に上がることは危険だという認識の方が納得しています。今後も客観的な事実に基づいて北海道における木造住宅の「雪下ろし不要論」を唱えていく所存です。2025年度から大幅に改定された木造住宅の壁量計算規定が施行されます。簡単に言えば、2階建て木造住宅では、新築はもちろんのこと改修の場合においても一般建築物と同様の構造計算が求められます。今後、確実に雪下ろしが不要な木造住宅が普及していくことを大いに期待しています。
苫米地理事長、千葉先生、このたびのご受賞、誠におめでとうございます!
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