NEWS

お知らせ

「第35回 北海道薬物作用談話会」において、薬学科の学生2名が若手研究者優秀発表賞を受賞しました

2022年8月21日(日)に本学E401を会場として、「第35回 北海道薬物作用談話会」が開催され、薬学科6年の中村祐喜さん、中谷日向子さんが若手研究者優秀発表賞を受賞しました。

受賞した、中村さんと中谷さんに研究内容についてお話を伺いました

中村祐喜さん

演題名:「線維化した腎間質領域への送達を目的としたⅣ型コラーゲン親和性搭載ナノ粒子の構築」
発表者:〇中村祐喜、戸上紘平、丁野純男

  • 研究テーマを選んだ理由
    指導教員の戸上紘平准教授のアドバイスもあったことと、病態が進行した腎臓へ薬を到達させることが難しく、また病態の進行によって線維が蓄積してしまう腎間質領域をターゲットとしている研究が少ないため、研究テーマとして選びました。
  • 研究内容を教えてください
    線維化した腎間質領域をターゲットとして、効率的に薬を体内の目的の場所まで運ぶ、ドラッグキャリアの開発を目指しⅣ型コラーゲンへの親和性を搭載したナノ粒子を構築しました。ナノ粒子は、薬を入れる小さなカプセルのようなものとして利用されます。腎臓の間質領域に到達し、かつ線維化した腎間質領域に多く存在するIV型コラーゲンに付着することで間質領域に留まるような高次機能をそのナノ粒子に搭載しました。

中谷日向子さん

演題名:「アニサキスを駆虫可能な化合物の探索およびその製剤化」
発表者:〇中谷日向子、戸上紘平、丁野純男

  • 研究テーマを選んだ理由
    指導教員の丁野純男教授が、以前アニサキス症になってしまったという話を聞いて興味をもちました。また、現在アニサキス症への根本的な治療薬がないこと、冷凍や加熱することで予防することができますが、魚の生食、お刺身では品質が損なわれる場合があるため、予防と治療ができる薬を作りたいと考えました。
  • 研究した内容を教えてください
    現在、アニサキスに対して有効な駆虫薬の開発や販売は行われておらず、内視鏡下でアニサキスの虫体を摘出する以外に根本的治療法はありません。そこで、アニサキスを駆虫可能な化合物を見つけ出し、胃や腸内環境でも効果のある薬を作ることを目的として研究を行いました。いくつかの化合物を試験管レベルでスクリーニングし、最も効果のあった化合物の薬を作り、実験動物に投与したところ、すぐれた駆虫効果を発揮しました。

中村さん、中谷さん、このたびは本当におめでとうございます。
今後のお二人の更なる活躍を期待しています。

北海道薬物作用談話会は、若手研究者に自己の研究の発表の機会を与えるとともに、その研究の進展・交流を計ることを目的として、経験豊富な諸先生方から助言をして頂く場として、世話人の方々のご協力のもと毎年開催されています。また本会は、若手研究者への啓発の一環として、道内・道外あるいは国外からの研究者の特別講演を盛り込み、貴重な情報交換の場としても活用されています。