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2023年10月04日

薬学部 薬学科 山田教授と渓仁会 札幌西円山病院 薬剤部 感染制御部との共同研究にて執筆した論文がJournal of Infection and Chemotherapy誌にアクセプトされました

2023年10月2日に、薬学部 薬学科 山田教授と渓仁会 札幌西円山病院 薬剤部 感染制御部との共同研究にて執筆した論文が、感染症化学療法の専門誌である Journal of Infection and Chemotherapy誌にアクセプトされました。

Kurabayashi M, Yamada T, Tomita M, Matsumoto M, Mizutani R, Uesugi
K, Niino H, Yamada H, Isobe T, Edagawa S, Impact of antimicrobial stewardship implementation on the antibiotic use
and susceptibility in a Japanese long-term care hospital, Journal of Infection and
Chemotherapy (2023), doi:https://doi.org/10.1016/j.jiac.2023.09.029

山田教授は2019年より、同院における抗菌薬の使用指標をモニタリング・解析し、特定の抗菌薬の使用集中度が高まると、その抗菌薬に本来効くはずの細菌の耐性率が上昇する傾向をとらえました。その対策として、代替となる抗菌薬の設定・提案を同院薬剤部、感染制御部とともに行いました。その結果、集中度の高かった抗菌薬の使用比率が減少し、対応する細菌の耐性率が低下しました。一般的に抗菌薬は使えば使うほどに耐性化が進むといわれていますが、今回の研究では、使用量のみではなく、特定の抗菌薬の使用集中度が耐性率の上昇に関連していることを見出しました。

抗菌薬適正使用に関する取り組みとそのアウトカム評価に関しては、急性期病院や大規模病院ではエビデンスがありますが、同院のように長期療養型病院において、耐性率改善というアウトカムまで評価した報告は、国内ではありませんでした。

また山田教授が臨床系教員として、当時の卒研ゼミ学生2名(水谷隆之介さん;2022年度卒、上杉紘一さん;2021年度卒)とともに、地域の医療機関と連携して取り組んだ研究であり、本研究成果は超高齢化社会における抗菌薬適正使用推進やAMR対策への貢献が期待されます。