クラウド型電子薬歴データ(RWD)解析による慢性疾患患者の 服薬アドヒアランス向上を目指す産学共同研究を開始
北海道科学大学から以下の通りプレスリリースを配信します。
北海道科学大学は、慢性疾患患者の服薬アドヒアランスに関する研究について、株式会社カケハシ(本社:東京都港区、代表取締役社長:中尾 豊、代表取締役CEO:中川 貴史)との産学共同研究を開始したことをお知らせいたします。同社のクラウド型電子薬歴「Musubi」(以下、Musubi)に蓄積される患者指導記録などの臨床データ(RWD)から、薬剤師による患者介入と服薬継続状況との関連性を解明するとともに、服薬アドヒアランスを良好に保つ仕組みづくりの提言を目指します。本研究は、独立行政法人日本学術振興会による2025年度の科学研究費助成事業に採択されたものです。
概要
独立行政法人日本学術振興会による2025年度の科学研究費助成事業に採択された本研究は、研究に賛同したMusubiのユーザー薬局において、慢性疾患患者 (1型糖尿病、2型糖尿病、リウマチ性疾患群、高血圧、 脂質異常症、心疾患、アレルギー性疾患群、慢性便秘症の薬物療法を受けている方)への薬剤師の介入に関するRWD(匿名加工済み)について後ろ向き解析を行います。
具体的には、患者指導記録や疑義照会記録などが自由記述されたテキストを、独自に開発した自然言語処理モデルによって解析します。そこから抽出された情報と、使用薬剤の服薬継続状況やMPR(患者さんが薬を所持する必要がある日数に対して、実際に所持した日数を比較した割合)との関連性を探索します。
また、その結果を基に、医薬品の適正使用に必要な服薬指導コンテンツの検討を行うだけでなく、処方設計に還元するための要点をまとめ公表する予定です。
本研究の成果により、薬局薬剤師が質の高い服薬指導を行うための新たな知見を提供するとともに、慢性疾患患者の服薬アドヒアランスを良好に保つ仕組みを作ることで、医療従事者と患者双方にとってより良い医療の実現を目指します。
研究者
- 北海道科学大学 薬学部 薬学科 教授 光岡 俊成(代表)
- 北海道科学大学 薬学部 薬学科 教授 櫻井 秀彦
- 北海道科学大学 情報科学部 情報科学科 講師 松川 瞬
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