人間社会学科特別講演会「地方のくらしをひらく 地域資源から考える暮らしと仕事」を開催しました
【地方のくらしをひらく—地域資源から考える暮らしと仕事】特別講演会を開催しました
2025年10月30日(木)、飛騨高山で工藝店「やわい屋」を営む朝倉圭一さんをお招きし、「地方のくらしをひらく 地域資源から考える暮らしと仕事」と題した講演会を開催しました。本講演会は、人間社会学科1~3年生を主な対象として実施し、一般来場者を含め約80名が参加しました。
朝倉さんは高山市の山間部に、築150年の古民家を移築・再生した自宅兼店舗「やわい屋」を構え、自然豊かな環境の中で工藝店を営まれています。名刺には「独学者」と記し、柳宗悦の民藝思想をはじめ、思想・哲学・心理学・郷土史などの幅広い分野の文献を独自に読み込み、地域の人々との関わりから学んだ経験を重ねています。その学びをまとめた著書『わからないままの民藝』(2024年)は、「地方で生きること」を考える読者から大きな共感を呼び、全国での講演活動につながっています。
本講演は授業テーマ「地方のくらし」に関連して実施したものです。朝倉さんからは、地方での暮らしは特別なものではなく「ふつう」の営みであり、その「ふつう」にこそ生き方の魅力があること、そしてその営みが地域の伝統や人と人とのつながりを生み出すことについて、日々の経験を交えてお話しいただきました。

講演後の質疑応答では、学生から時間いっぱいまで積極的な質問が寄せられました。「日々の暮らしには、明確に答えの出ない問いが多い」としつつ、「分からないままでも、人の声に応える姿勢を持ち続けることが大切」という朝倉さんの言葉は、参加者に深い印象を残しました。
なお、人間社会学科ではシリーズ講演として、11月13日(木)に中川町役場の下村章浩さんをお招きし、「地方のまちづくりと人とのつながり〜飛騨の“地域”と“人”〜」をテーマに講演を予定しています。2回の講演を通じて、学生たちは地域社会について多角的に学びを深めていきます。

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