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半導体技術の最前線を学ぶ2部構成の特別講演会を開催しました

半導体技術の最前線を学ぶ2部構成特別講演会を開催

2025年10月6日(火)、機械工学科・情報科学科・電気電子工学科の学生を対象に、半導体技術の最前線を学ぶ特別講演会を2部構成で開催しました。
第1部では、Rapidus株式会社 専務執行役員 エンジニアリングセンター長の折井靖光氏、第2部では、日本工業大学大学院 技術経営研究科 教授の岡本和也氏を講師に迎え、生成AI・DX時代を支える先端半導体技術の現状と未来について、多角的な視点から講演が行われました。

第1部:Rapidus株式会社 専務執行役員 折井靖光氏

「小さな頭脳が未来を動かす!北海道発の半導体技術」

第一部では、折井氏から千歳市において進められている先端2nmプロセスによる半導体製造の立ち上げについてご紹介していただきました。
Rapidusは本年7月、2nmプロセスで製造したトランジスタの動作を実証し、その驚異的なスピードを達成。講演では、その成果に至るまでの道のりや、先端プロセスへの挑戦に込めた熱い思いが語られました。
また、最新プロセスによる半導体が消費電力を大幅に削減できること、さらにチップレット技術によって新たな可能性が広がることなどを、学生にも分かりやすく解説。
講演の終盤では「時間は過去から未来に流れる。未来に起こることを想像して、今行動してほしい」と語りかけ、未来志向の行動と多様性(Diversity)の重要性を脳科学の観点から伝えていただきました。
学生からの質問にも丁寧に応じていただき、「半導体の開発や製造は電子工学だけでなく、ビッグデータ解析やロボット・機械装置技術など、さまざまな分野の知識が求められる」と述べ、3学科の学生に半導体産業への関心を喚起しました。

折井靖光氏

第2部:日本工業大学大学院 教授 岡本和也氏

「生成AI・DX時代における先端半導体製造と装置技術 ―価値獲得と価値創造をめざして―」

続く第2部では、大阪大学招聘教授・日本工業大学大学院 技術経営研究科 教授の岡本和也氏が登壇。
「半導体とは何か」という基本的な問いを出発点に、超微細化技術の本質や高度実装技術の進化、そして生成AIの躍進がもたらす2nm以下の先端技術需要について、具体的なデータとともにご紹介いただきました。
岡本氏は、装置・材料分野に強みを持つ日本が「価値創造」と「価値獲得」の両立を図ることで、国際競争力を高める可能性を提示。「技術と経営の両面からものづくりを捉える視点を持つことが重要」と学生に呼びかけました。
講演の結論として、岡本氏は次の2点を強調しました。
・2nm以下を⽬指す先端半導体技術は、⽣成AIなどの躍進に伴い、新たな需要に応じた開発が進展していること。
・装置・材料に強みを有する⽇本は、「価値創造」と「価値獲得」の両視点から研究開発を推進することで、国際的競争⼒の確保が可能であること。
この中で、全体最適に基づく技術経営思想の重要性や、AI半導体の構造と本質、さらに特許活⽤による研究開発戦略の策定など、多岐にわたるテーマを取り上げました。

岡本和也氏

北海道から世界へ、半導体技術の未来を見据えて

今回の特別講演会を通じて、学生たちは“世界の半導体開発の最前線”と“日本のものづくりが担う未来像”の双方を学ぶことができました。
北海道科学大学では、今後も産業界との連携を深め、最先端技術に触れながら学びを広げる機会を積極的に提供していきます。