2025年3月24日(月)、手稲区民センター2階の手稲区民ホールにて「あるくていねく大調査2024 第2弾」を実施しました。
このイベントは、札幌市の「大学と民間企業等との連携による公益的事業の推進事業」として実施しており、札幌市手稲区介護予防センター・手稲地区リハビリテーション関連職種協議会・北海道科学大学の三者が共同で制作した、手稲駅周辺活用マップ「あるくていねく」を活用し、実際に手稲駅周辺を歩くイベントで、今回は65歳以上の方を対象に106名の方にご参加いただきました。
イベントの始めに、本学未来デザイン学部 人間社会学科 道尾 淳子 先生より参加者に向け、イベント参加への謝辞と本調査について説明しました。
続いて、手稲駅周辺ウォーキングマップ「あるくていねく」と今回新たに開発したARコンテンツの制作に携わった本学の教員と学生が、完成までの経緯やこのマップに込めた想いを参加者に向けて話しました。
手稲駅周辺ウォーキングマップ「あるくていねく」PDF
挨拶終了後、6名前後のグループに分かれ、学生がファシリテーターとなって実際にARコンテンツを体験してみたり手稲駅周辺のウォーキングを行いました。
その後、実際にタブレットを操作してみての感想や歩いてみての感想をグループごとに共有しました。
健康増進に関する知識を参加者同士で共有している場面もあり、イベントを通じて地域の方々と交流できた貴重な機会となりました。
第⼆部「札幌に空中歩廊があってよかった!ここからはじまる話題提供の会」を同⽇開催しました
同日に、第二部「札幌に空中歩廊があってよかった!ここからはじまる話題提供の会」を開催いたしました。
ウォーキングやARコンテンツ体験からなる第一部終了後、第二部として「札幌に空中歩廊があってよかった!ここからはじまる話題提供の会」と題し、本学学生による卒業研究報告とゲストをお招きして、地域交流拠点や空中歩廊、まちづくり政策について話題提供を行いました。
前半は、2024年7月10日(水)に実施した同イベント(第一弾)にて質問票調査にご協力いただいた4年生3名による卒業研究報告として、下記のタイトルで各10分程度発表しました。当日は調査にご協力いただいた方々にもご聴講いただき、調査結果を共有する有意義な時間となりました。
未来デザイン学部メディアデザイン学科 4年 齊藤 陽菜多
卒業研究タイトル:「行動経済学に基づくAIの普及戦略と有効活用」
(AIの利用経験と意欲に関する質問票調査の実施)
未来デザイン学部人間社会学科 4年 小嶋 悠介
卒業研究タイトル:「地域における介護ロボット普及促進に向けて」
(介護ロボットの認知度及びニーズ調査に関する質問票調査の実施)
未来デザイン学部メディアデザイン学科 4年 蔵前 萌那
卒業研究タイトル:「手稲駅周辺活用マップ『あるくていねく』を活用した高齢者の介護予防行動促進とその効果の実証的研究」
(健康管理に対するセルフエフィカシー及び二次元気分尺度TDMS-STに関する質問票調査の実施)
後半は、「地域交流拠点・空中歩廊、私たちのまちづくりを考えよう!」と題し、まちづくりを実践する3名の方々による話題提供とフリートークを行いました。
まず、主催の道尾 准教授(未来デザイン学部人間社会学科)より、「琴似&手稲も地域交流拠点、産学連携事例紹介」と題して、2023年度にプロジェクトが始まったJR手稲駅周辺の「あるくていねく」と、2018年度から携わるJR琴似駅周辺の「琴似スカイウォークのウォールアート(壁絵本)プロジェクト」について、産学連携の事例報告がありました。
次に、琴似地区における民間連携・産学連携の発起人である宮坂 元博氏(株式会社コーポレーション・ミヤ)より、札幌市の空中歩廊の開発史とも言える1990年代からの再開発事業の歴史と、空中歩廊の連続性が各施設の資産価値や都市生活の価値を高めていることについてご説明いただきました。
続いて、苗穂や新さっぽろなど、市内JR駅周辺のまちづくりにご尽力されている阿部 勇士氏(札幌市まちづくり政策局政策企画部政策推進課)より、札幌市が現在推進する「ウォーカブルシティ」政策についてご説明がありました。北海道の課題でもある健康寿命の改善、安全な歩行空間の確保、交流促進の観点、特に高齢者の冬季の外出率向上を目指す取り組みについて言及されました。
フリートークでは、まちづくり政策やパブリックな都市空間のあり方について、「誰によって」「誰のため・何のために」計画・運営される必要があるかという議論が交わされました。例えば、こどもと保育者、高齢者と介助者など、実際に都市空間を日常的に利用しているにも関わらず、パブリックコメントなどでは意見が収集されにくい声なき都市市民に寄り添うことの重要性や、行政任せにするのではなく、あらゆる教育・福祉・都市開発等に携わる学生や実務者、そして、近隣に住む市民一人ひとりが、まちの歴史文化を担う当事者として都市政策に関わることの課題感が共有されました。市内に複数設定されている地域交流拠点においては、先駆的に多数の主体が連携し、快適なまちづくりについて議論され、あらゆる挑戦が試みられることが期待されています。
今回も、手稲区を中心に多くの方々にご来場いただきました。
ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。