3Dプリンターで作れるもの・できることは?作れないものもチェック!

テクノロジー2023.09.28

この記事について

3Dプリンターは3次元の立体造形物を作ることができるプリンター!
もともとは、高価な専門機器として企業が使用していましたが、近年ではお手頃な家庭用3Dプリンターも登場しています。
「3Dプリンターってどんなもの? 何が作れるの?」と、興味を持っている方もいるのではないでしょうか?

今回のコラムでは、そんな3Dプリンターについて解説。
3Dプリンターの魅力や、3Dプリンターで作れるもの、どんなことができるのかをご紹介します。
また、近年増えてきている家庭用3Dプリンターの特徴などもお伝えしますね。

このコラムは、私が監修しました!

北海道科学大学 工学部 機械工学科

准教授髙島 昭彦Takashima Akihiko制御工学 ロボット工学

私は3Dプリンターを十年ほど利用しており、おのずと様々なトラブルを体験しました。使い始めのころはネットにも情報が少なく周りに使用している人も居なかったので原因がわからなく苦労しました。

一番困ったトラブルは出力している最中に土台から出力中の物体が剥がれ終了しているパターンです。完成しているであろうと期待しながらプリンターを見ると、熱溶解した樹脂を出力するノズル周りに樹脂がモリモリに固まったままの状態となっていました。

出力失敗で落胆もしましたが、それよりプリンターの高額な修理代が頭をよぎりました。そのあと何とか自力で修理しましたが、できればもう経験したくないトラブルです。

3Dプリンターの魅力とは?3Dプリンターの活用方法

3Dプリンターとは、3次元の立体造形物を作ることができる機器です。
3DCADや3DCGといった3Dデータ、いわゆる「設計図」をもとに、素材となる樹脂・金属・石こうなどを一層ずつ積み重ねて立体的に出力します。

3Dデータで作成した精巧なデザインが可能なことや、1つから作成ができることなどから、企業では試作品や模型作りなどにもよく使われていました。
素材選びや仕上げなどを適切に行えば、プリントした立体造形物を実際に使用することも可能です。

3Dプリンターの基本的な使い方は以下の流れになります。

  1. 3DCADや3DCGなどの3Dデータを用意する
  2. 必要なデータ形式へ変換する
  3. 3Dプリンターに材料をセットし、データを読み込ませる
  4. プリント出力する
  5. 場合によっては研磨や塗装などの仕上げを行う

3Dプリンターでできること・作れるもの、逆に作れないものは?

3Dプリンターを企業で活用している例では、製品の試作品や型、建築模型や医療模型を作ったり、車を作ったという企業も! 3Dプリンターで家を作ろうと取り組んでいる企業もあります。

近年は家庭用3Dプリンターもたくさん登場しており、個人で使用して思い通りのデザインの加工品も作成可能です!

家庭用3Dプリンターでは、たとえばこんなものが作れますよ。

  • スマホケース、スマホスタンド
  • 小物入れ
  • アクセサリー
  • フィギュア
  • 家具のパーツや部品
  • お菓子の型

家庭用3Dプリンターでは、樹脂やプラスチック系を素材とする小物などが相性が良い傾向にあります。

反対に、素材や構造上、強度や気密性(素材がすき間なくつまっていること)の高いものは作れません。
精度の問題で、複雑だったり、細かすぎたりするパーツの作成にもあまり向かないでしょう。

また、素材は単一でカラーが1色となります。
複数の素材や色を組み合わせたい場合は、パーツを作成して組み立てたり、プリント後に色づけしたりする必要があります。

3Dプリンターに使用する素材は高価なものが多く、作成するものが大きければ大きいほどコストがかかってしまうことを覚えておきましょう。

なお、3Dプリンターでものづくりをする際には、著作権にご注意を!
家庭用3Dプリンターはあくまで個人で楽しむ範囲のものです。

たとえば人気のキャラクターのフィギュアを作る場合など、家庭内で個人で楽しむ分には良いですが、作成物を販売したり、3Dデータを公表したりすると著作権法違反となる可能性があります。
このあたりは法律による決まりや罰則がまだきちんと決められていない部分もあるため、十分に注意が必要です。

近年の家庭用3Dプリンターにはどんなものがある?

3Dプリンターで赤と白の造形物を作成している様子

3Dプリンターは高価な専門機器でしたが、近年はコンパクトでリーズナブルな家庭用のものも登場しています。
10万円を切る価格のものや、データ変換ソフトつきのもの、wi-fi対応でワイヤレスでデータ読み込みができる便利なものも。

家庭用のリーズナブルな3Dプリンターは海外製のものが多いのですが、日本語での説明書やサポート付きのものもありますので、安心してくださいね。

また、家庭用の3Dプリンターには、すぐに使用できる「完成品」と、購入後に自分で組み立てが必要な「組み立て品」があります。
「機械いじりが好き」「プラモデルが好き」という方は組み立て品を選んでみるのも良いですが、「すぐに使いたい」「組み立ては少し苦手…」という方は、完成品に絞って商品を探してみましょう。

近年は、家で扱いやすいサイズや静音設計のものも多いので、家庭での使用にもストレスは少ないはず。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね!

3Dプリンターで作れるもの・できることはたくさん! 家庭用もチェック

3Dプリンターは、3Dデータをもとに3次元の立体造形物を作成する機器。
樹脂や金属・石こうなどを素材として、一層ずつ積み重ねてプリントし、立体物を作り出します。

思った通りの精巧なデザイン作成や1つからの作成が可能で、企業では試作品や模型作りのほか、車や家などの大きなものも作られています。

近年はコンパクトで安価な家庭用3Dプリンターも登場!
10万円を切る価格のものや、データ変換ソフト付き、便利なWi-Fi機能付きなど、使い勝手の良いものもたくさん。
日用品小物やフィギュア、家具のパーツなど、思い通りのデザインで作成できますので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

作成される場合は、著作権の問題がないかなどにも気をつけてくださいね。

北海道科学大学工学部機械工学科で最先端のものづくりを学びませんか?

北海道科学大学では、教員を派遣して授業を行う出前授業も実施中!
小・中学校や高校の関係者の方でご興味のある方はぜひお問い合わせください。

工学は、私たちの暮らしに深く関わる学問です。
工学を学ぶことは、技術の進化やより暮らしやすい社会の実現につながります。

工学に興味がある方や工学を学びたい方は、北海道科学大学 工学部 機械工学科へぜひお越しくださいね。
LINEでの個別相談も受付中です。

オープンキャンパスオープンキャンパス