北海道のスノーシェルターとは?山がないのにトンネルがあるのはなぜ?
この記事について
北海道の道路を車で走行していると、山を通り抜けるわけでもないのにトンネルのような構造物に出会うことがあります。
これは「スノーシェルター」といって、雪害から道路利用者を守るための構造物です。
今回はこの、北海道のスノーシェルターの目的やメリットを解説します。
日本のインフラ整備では、安全に利用するための工夫が随所に施されているんですよ!
このコラムは、私が監修しました!
准教授細川 和彦Hosokawa Kazuhiko環境雪氷工学 雪氷防災 都市防災
研究テーマの大分類は「雪氷工学」です。積雪寒冷地域における、雪や氷、寒さといった自然現象により人々の生活上で発生する「困り事」を工学的に解決するという分野です。
例えば、冬期間に発生する雪害や自然災害に関する解決方法の模索では、地域のまちづくりに関わる人たちや、建築、機械、看護学の研究者、太陽光発電の積雪による発電障害の克服では、電気の研究者とコラボしたりします。
また、ものづくり企業と協働し雪国向けの製品開発なども積極的に行っています。
雪国で暮らす人々の安全と快適のため、学問領域や業種を超えた人とのつながりを大切にしながら日々研究しています。
目次
北海道の道路にあるスノーシェルターとは?
積雪のある地域で、雪害から施設や設備を守るためにそれらを覆うように設置されている構造物のことをスノーシェルターといいます。
北海道の道路にあるスノーシェルターは、豪雪地帯や峠などで走行中に吹雪や地吹雪で視界が悪くなったり、吹き溜まりの発生や道路凍結で走行が危険になったりするのを防ぐために設置されたトンネル状の構造物です。
吹雪や地吹雪、吹き溜まりなどが発生しやすい場所に主に設置されます。
山がない道路にトンネルだけが設置されているようにも見えるので、初めて見た方は驚くかもしれませんね。
半円形や四角形のほか、片屋根式のものや雪庇柵(せっぴさく)を備えた形状のものもあります。
スノーシェルターを設置することで、雪による視界不良や路面状況悪化を防ぎ、事故を防いで安全に走行することができます。
大規模な緊急避難施設「パーキングシェルター」
地吹雪や吹き溜まりの発生が特に多い場所には、緊急避難施設のパーキングシェルターが設置されていることもあります。
パーキングシェルターは全体が屋根に覆われ、敷地内には駐車場、トイレ、公衆電話、消火器、道路情報版などが備えられています。
海岸沿いの平野部など、風が強くて地吹雪や吹き溜まりが発生しやすい場所に設置されていることが多いです。
北海道には鉄道にもスノーシェルターがある!
北海道では線路の雪害対策としてもスノーシェルターが活用されています。
主に以下のような場所に設置されるケースが多いです。
- 駅舎やホーム
- 線路の切り替えポイントや信号機(凍結防止)
- 雪崩の危険がある場所
- トンネル出入口の前後 など
冬の雪害以外にも、落石や土砂災害、落ち葉などによる障害を防ぐものもあります。
そのように、1年を通して活躍するものは「シェッド」と呼ばれることもあります。
北海道のスノーシェルターは雪害から道路や線路を守る設備
スノーシェルターとは、北海道の雪害から設備や施設を守るための構造物です。
道路をトンネルのような構造物で覆い、吹雪や地吹雪による視界不良、吹き溜まりや凍結による走行不良を防ぎ、道路利用者の安全を守ります。
地吹雪や吹き溜まりが特にひどい場所には、「パーキングシェルター」という大規模の緊急避難施設が設置されることも。
また、スノーシェルターは鉄道の駅舎やホーム、線路の切り替えスポット、トンネルの出入り口などにも設置されていますよ。
冬の北海道も安全に走行できるよう、環境整備がされているのです。
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