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COOPERATION

研究紹介

研究・産学連携

疾患診断・予防法の開発

大谷 紘資 講師

私は現在、大きく分けて2つの研究に取り組んでいます。

1つ目は「大動脈解離」に関する研究です。大動脈解離とは、大動脈の壁が裂けることで、もともとの血流が通る「真腔」と、新たにできた「偽腔」という空間が形成される疾患です。日本では主に70代に多く発生し、急激に進行するうえに死亡率も高いため、発症時には迅速な診断と治療が非常に重要です。しかし現在のところ、発症を未然に防ぐ有効な手立ては確立されていません。もし、発症の予兆を捉え、解離自体を予防できるようになれば、この疾患克服への大きな一歩となるでしょう。そこで私は、大動脈解離を誘発するモデルマウスを用い、発症の前後における病態メカニズムの解明を目指しています。そして将来的には、診断や予防に役立つツールの開発を目指しています。

マウス大動脈弓のエコー画像
マウス大動脈弓のエコー画像

もう1つの研究テーマは、私自身が獣医師であることから、伴侶動物(イヌ・ネコ)の疾患診断・予防に応用可能な技術の開発です。とくにイヌでは、近年ヒトと同様に、腫瘍に対する高度な治療戦略が求められています。私が注目している「細胞外小胞」は、リン脂質二重膜で構成された微小な粒子で、腫瘍細胞から大量に分泌されることが知られています。現在、この細胞外小胞を血液や尿などから取り出し、がん診断への応用が可能かどうかを探る研究を進めています。

イヌ尿細胞外小胞の画像
イヌ尿細胞外小胞の画像

大谷 紘資 講師

  • 学位/博士(獣医学)
  • 研究分野/循環薬理学、獣医学
  • 研究テーマ/①大動脈解離のメカニズム解明と診断・予防法開発、②細胞外小胞に着目したイヌ・ネコの診断バイオマーカーの開発