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植物は未知医薬品の宝庫? -知られざる化合物の探索-

山下 浩 教授天然資源系薬学

現代において「薬(医薬品)」は、最先端の化学・科学技術の産物といったイメージがあるのではないでしょうか?

 では、200年、300年前だと病気はどの様に治療していたのでしょう??

 そうですね。いわゆる「薬草」たちが、病気を治すための主人公でした。

 あまり知られていない話ですが、現在の医療でも使用されている医薬品の約70%は、何らかの形で植物に関係しています。例えば、植物の成分そのままを製剤化(医薬品化)したものや、植物成分を化学的に修飾することで作用を強める・副作用を弱める工夫をしたものなどが治療に使用されています。

風邪薬などで、咳止めを目的に配合される医薬成分の一つに「エフェドリン」がありますが、これは明治時代に世界で初めて日本の長井長義先生が、植物(マオウ)から分離した化合物です。

 植物は、人間が思いつかない複雑な構造の有機化合物を生成し、植物体内に多彩な性質の有機化合物を蓄えていますので、植物は未知の化合物の宝庫と言えます。そして、まだ地球上の植物の三分の一にも満たない種類しか研究されていないため、今後も植物由来の未知化合物(=作用の判らない化合物)から新規医薬品の創出が期待されています。

 当研究室では様々な北方系の植物を研究対象として、生理活性化合物の探索を目標に、日々、植物に含まれる低分子有機化合物の構造、物理的性質などを突き止めながら、有用成分の発掘を目的として研究を行っています。

山下 浩 教授

  • 学位/博士(薬学)
  • 研究分野/生薬・天然物化学、成分探索、構造解析
  • 研究テーマ/北方系植物の成分と生理活性の探索