オーダーメイドの薬物投与

これまで私は、麻薬性鎮痛薬モルヒネ(東札幌病院と共同研究)、免疫抑制薬ミコフェノール酸モフェチル(市立札幌病院と共同研究)、抗凝固薬ワルファリン(手稲渓仁会病院と共同研究)などを題材に、母集団薬物動態解析という手法を用いて各薬物の平均的な体内動態パラメータやそれに対する変動要因(疾患、各種検査値や併用薬など)、さらには血漿中濃度と薬理効果との関係を明らかにすることで、初期投与量の個別化や、血漿中濃度や薬理効果の指標を用いた投与量推定プログラムの開発を行ってきました。
現在は、札幌医科大学医学部麻酔科学講座との共同研究で、超短時間作用型ベンゾジアゼピン系全身麻酔薬であるレミマゾラムの標準投与プロトコル作成を目指し、
・LC-MS/MSを用いたレミマゾラムとその代謝物の血漿中濃度同時測定法の開発
・患者血漿を測定して得られたレミマゾラム血漿中濃度データを母集団薬物動態解析することで、レミマゾラムの平均的な体内動態パラメータやそれに対する変動要因を解明
・レミマゾラムの鎮静効果を表す適切な鎮静度指標の探索
・レミマゾラム血漿中濃度と鎮静効果との関係のモデル化
について研究しています。
戸田 貴大 教授
- 学位/博士(薬学)
- 研究分野/臨床薬物動態学、Pharmacokinetic-Pharmacodynamic解析
- 研究テーマ/薬物投与量の個別化に関する研究