COOPERATION

研究紹介

研究・産学連携

「薬剤師とは」をとことん追求。

水谷 怜子 講師

みなさんにとって「薬剤師」とはなんでしょうか。薬剤師とは?と言われれば、明確な定義が3つあります。「一, 薬剤師は国から付託された資格(国家試験合格後に得られる)に基づき,医薬品の製造,調剤,供給において,その固有の任務を遂行することにより,医療水準の向上に資することを本領とする。一, 薬剤師は広く薬事衛生をつかさどる専門職としてその職能を発揮し,国民の健康増進に寄与する社会的責務を担う。一, 薬剤師はその業務が人の生命健康にかかわることに深く思いを致し,絶えず薬学,医学の成果を吸収して,人類の福祉に貢献するよう努める。(薬剤師綱領(日本薬剤師会制定))」です。

 明確な定義がある一方で、では、そうするためにはどうしたらよいのか?という疑問も湧いてくるでしょう?

 色々な疑問の中で、私が最も興味があるのは、「国民の健康増進に寄与する社会的責務」というところです。どうしたら国民の健康増進に寄与できるか?もちろん、その疾病を治療するには優れた医薬品の開発も必要ですが、「使い方」が正しくないと、効果を発揮することができません。しかも使う人は、人間ではあるものの、それぞれ異なる人です。その異なる人に対して、一言だけ「このように飲んでください」だけで良いのでしょうか?生活、環境、年齢、性別・・・いろいろなことが違いますよね。そのため、その患者さん自身の状態にあったおすすめの薬や使い方の知識、そして、患者さんの困っている事を聞き出すコミュニケーション力、時には患者さんの健康目標を設定するために、患者さんに教育することも必要です。私は、薬剤師はこのような技能・知識が必要と考えているため、患者目線から、薬剤師から薬をもらった時に、どう感じたか、伝わったかということについてとことん研究をしています。

患者さんの声はとても大事です。でも、患者さんのいう事を聞くことが大事なのではありません。やりがいだけでは薬剤師も生活できません。国民の健康を担う「科学者・教育者の薬剤師」とはどういうことなのか、をとことん追求していきたいと思います。

水谷 怜子 講師

  • 学位/博士(薬学)
  • 研究分野/社会薬学、有機化学、ファーマシューティカルコミュニケーション、サイエンスコミュニケーション、薬学教育論、薬学の歴史
  • 研究テーマ/一般用医薬品または要指導医薬品に関する国民のニーズ・意識の動向、薬剤師の社会経済的評価