がん治療の発展を目指したオートファジーの応用
オートファジーは、細胞内の不要なタンパク質を分解するシステムであり、細胞や生体の恒常性を維持する役割を担っています。これまでの研究によりオートファジーは、がん、中枢神経疾患、糖尿病など多くの疾患の発症・進展に関与していることが明らかにされています。しかし、これら疾患の治療に対するオートファジーの応用は、研究途上であり未だ確立されていません。
私は、オートファジーを応用することで、抗がん剤の効果を増大する方法を確立するための研究を行っています。これまでにオートファジー阻害剤がアントラサイクリン系抗がん剤ドキソルビシンによる抗がん作用を増大することを見出しました。現在は、オートファジー阻害剤が抗がん剤の作用を増大する機序を明らかにするために実験を重ねています。
佐藤 恵亮 講師
- 学位/博士(薬学)
- 研究分野/生物学、衛生学