COOPERATION

研究紹介

研究・産学連携

育てたいのは「個性と共感」が響き合う感性。

川人 洋志 教授建築学

私の専門分野は建築設計で、これまで陶芸家の工房付き住宅や中央警察署札幌駅前交番、知床斜里複合駅舎、共働学舎新得農場カリンパニ(交流施設)などの設計に携わってきました。
研究室では大学生活の最終成果として卒業設計に取り組みます。その際にいつも学生たちに問うのが「なぜ設計を始めたのか」という動機の振り返りです。自分の原点を表現できるものを、自らの問題意識の中で本人のテーマとして具現化することが、社会に出ていく際の足場になると考えているからです。
また、具体的な設計時には「なぜ、その形になるのか」を学生にひたすら聞いていきます。その理由は本人の問題意識から生まれる個人的なことかもしれませんが、対話を重ねる中で他者との共有化や客観化ができていき、これが個人と社会をつなげるプロセスになります。多くの人の共感を呼びながら、かつ、これはあの人じゃないと考えつかないという、個性とパブリシティが行き来できるような感性・人材を育てていきたいと思います。
研究生の中には日本建築家協会の全国学生卒業設計コンクールで金賞を受賞した学生もおり、特に北海道では研究生の卒業設計が高く評価され、コンペなどで手応えを感じられることも学生たちの気持ちの拠り所になっています。
世の中の建築には、すべてに設計図があります。設計を学ぶのは建築の基本であり、設計を通して様々な場所や人に出会い、そうした中で建築物を作り上げることはても楽しいこと。今後も学生たちと「想像の喜び」を共有しながら、一緒に構想していきたいです。

川人 洋志 教授

  • 学位/工学修士
  • 研究分野/建築意匠
  • 研究テーマ/現代にあるべき生活空間の建築的探求