COOPERATION

研究紹介

研究・産学連携

使うべき人に義肢・装具が行き届くように。そして使ってもらえるように。

佐藤 健斗 助教補装具・福祉用具の製作および適合に関する実務 人間工学

私は、約9年間義肢装具士として活動する中でいくつもの問題に直面しました。その中の1つが、義肢・装具を使ってもらえないという問題です。
義肢も装具も、ただそのあたりに置いておいたり、飾ってあったりして役に立つものではなく、身につけて貰って初めて効果のあるものです。私は、良い義肢や良い装具を作ることとそれをいかに使ってもらうかを同じくらいの重みで考えなければならないと思います。
治療の途上で義肢・装具の使用を拒否した人や、病院を離れて生活の場に戻った時に義肢・装具を使用しなくなった人への対応の仕方や関わり方は個人の経験や資質に頼っているのが現状です。つまり、なぜそのような選択に至ったかを明らかにするデータと呼べるものの蓄積はありません。また、義肢・装具が目に見えて有効だという感覚を使用者に持っていただくことも、義肢装具の継続した使用の為に大変重要だと考えています。しかしながら、臨床の現場では義肢・装具を用いた介入効果を客観的に評価する手段が一般的に根付いているかと言えば、そうではありません。ですので、私は義肢・装具使用者の思いを測ることや、義肢・装具の効果判定を簡便に行うことのできるアウトカム評価手段を確立したいと考えています。
本学には歩行解析のための設備や材料研究の施設が充実しており、恵まれた環境があります。学生には、この設備を大いに活用した良い義肢・装具を作るための取り組みとともに、いかに義肢・装具を使ってもらうかという発想を含めて利用者のために知識と技術を磨いてほしいと思っています。

佐藤 健斗 助教

  • 学位/修士(人間学)
  • 研究分野/義肢装具学
  • 研究テーマ/義肢・装具使用のアドヒアランス向上に関する研究及び義肢・装具使用の簡易な効果判定に関する研究