本事業では3つの研究テーマを主として、高齢者や障がいをもつ方をはじめ、北国で暮らす人々の生活の質を向上させるために様々な取り組みを行い、「北国高齢社会の生活カウンセラー(北国生活環境科学拠点)」として、北国の暮らしを豊かにする研究・開発を行います。
積雪等で閉鎖的になりがちな北海道での暮らしを豊かにするため、看工融合のフレームワークによってQOLを向上させるための研究開発を実施します。スマート住宅で暮らす人にとって必要なサポートシステムを、双方向情報交換システムによって実現する住宅構造を提案していくことで、北国で暮らす人々の豊かな生活の実現を支援していくことを目指します。
積雪寒冷地では、雪や凍結によって装具使用者の活動圏が縮小されがちです。そこで当研究では、装具使用者の安全確保及び活動圏拡大のため、装具の主材料となる高分子化合物(ポリプロピレン)の機械的性質を、低温暴露による材料の劣化や装具製作の条件及び材料の諸物性などの観点から明らかにし、医療用装具の安全性・耐久性を向上することを目指します。
積雪寒冷地域で暮らす健康高齢者や外来患者及び障碍者は、健康維持のための運動やリハビリテーションを行うことが容易ではありません。当研究では、健康高齢者等の増加や医療費負担の問題に対応するため、情報通信技術(ICT)及び複合現実感技術(MR)を用いて仮想環境の中で訓練が可能になる「遠隔ヘルス・リハビリテーションシステム」の開発を目指します。
当研究所では、3つの研究をもとに北国の豊かな生活環境の創出と北国の生活環境科学拠点を構築するため、北海道内の地域特性を明らかにしながら、3つの研究で開発される技術の適合地域を検討するとともに、そのためのメソッドを構築することを目標としています。