北海道科学大学公開講座を開催しました
2019年8月28日(水)14時から、本学講義棟(A棟)において、北海道科学大学公開講座を開催しました。
今回の公開講座は、「認知症の症状・原因と薬物治療について」をテーマに、 札幌市手稲区の「稲苑大学」と合同で開催しました。
「稲苑大学」とは、65歳以上の高齢者を対象とした手稲区のシニア大学で、高齢者の社会活動を促進し、生きがいの向上を図るため、系統的な学習の機会を提供しようと札幌市が運営しているものです。
本学公開講座の申込者65名と稲苑大学の登録者55名、合わせて120名の方が受講しました。
はじめに、薬学科の三浦 淳教授から、認知症の症状や認知障害をきたす疾患、その特徴について詳しく説明がありました。
続いて、薬学科の山 佳織講師から、それぞれの認知症に対する治療薬の働きについて、イラストを用いてわかりやすく解説しました。
「認知症」とは、大脳の特定の部位が障害される疾患のことを言いますが、この認知症をきたす疾患にはさまざまな種類があります。
代表的な例として、認知症の原因で最も多く、ゆっくりとした発症が特徴の「アルツハイマー病」、症状が1日の中でも著明に変動し、幻視などが現れる「レビー小体型認知症」、脳血管障害(脳梗塞、脳出血など)によって脳組織が損傷し、その結果発症する「血管性認知症」などが挙げられます。
それぞれの詳しい症状、原因、治療法や対処法について、最新の情報を交えながら、お話ししました。
また、認知症の診断は、適切に行うことで予後や経過をある程度予測することが可能となるため、患者の個人差によって異なるケアをしていくことが重要だそうです。
現時点では、根本的な治療法や治療薬が存在しないことから、進行遅延を目的とした治療になるため、早期発見がとても大切であるというお話がありました。
日常生活における予防法として、生活習慣病の対策、運動機能の維持のほか、「4つの快(快食・快眠・快便・快い運動)」を意識することで、心と体の元気な状態が保たれ、認知予防に繋がるということです。
北海道科学大学では、今後も地域の方を対象とした公開講座を開催いたします。
薬学科 三浦淳先生 山佳織先生 |
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