未来デザイン学部

創部の趣旨

現代の社会・経済システムは、さまざまな仕組みが複雑に関係し合いながら進化・変化し続けています。本学ではこれまで「ヒューマニティとテクノロジーの融合」を中心的な基本理念に掲げ、各学科が分散・並行的に、これらの進化や変化に適応できる人材の育成を図ってきました。しかし、国内に限っても、社会・経済システムの急速な変化に適応し得ず各人の適性が十分活かされていない状況が収束し始めているとはいいがたく、むしろ拡大している傾向にあるといえます。

このような背景から、本学の最初の基本理念「ヒューマニティとテクノロジーの融合」に加え、2番目の基本理念「時代の要請『個性の尊重』に即したプロフェッショナル教育」を学部の教育理念の主柱に据えて、ITスキルと工学的な各種分析手法を核に幅広い教養を身につけ、情報を発信・解析・統合できるプロフェッショナルや各社会単位の中でリーダーシップを発揮できる人材を育成するため、多様な人間の価値観に基づく豊かさの創造と、社会・経済システムの変化に対応できる特色あるカリキュラムで教育を行うメディアデザイン学科と人間社会学科を、未来デザイン学部として独立させることとしました。

教育課程編成・実施の方針(カリキュラム・ポリシー)

創部の趣旨に基づき、文理横断的なカリキュラムと実践的な教育手法を通じて、未来を切り拓く知識・スキル・行動力を身につけるため、4つの科目群、「修学基礎教育科目」「外国語教育科目」「工学基礎教育科目」「専門教育科目」によって教育課程を編成しています。「修学基礎教育科目」「外国語教育科目」「工学基礎教育科目」は、メディアデザイン学科、人間社会学科においておおむね共通したカリキュラム編成となっています。「修学基礎教育科目」と「外国語教育科目」は、教養教育を目指した科目群です。これらの科目群では、専攻分野の専門性に偏することなく広い社会的視野を涵養し、進化や変化を続ける社会にしなやかに適応するために求められる、幅広い知識や教養、言語能力を身につけることにより全人的人間形成を目指します。

中央教育審議会答申「新しい時代における教養教育の在り方について」(平成14年2月21日)において、教養教育は「理系・文系、人文科学、社会科学、自然科学といった従来の縦割りの学問分野による知識伝達型の教育や、専門教育への単なる入門教育ではなく、専門分野の枠を超えて共通に求められる知識や思考法などの知的な技法の獲得」を目指すべきであると指摘されています。本学の「ヒューマニティとテクノロジーの融合」及び本学部の「時代の要請『個性の尊重』に即したプロフェッショナル教育」という、2ヶ条の文理横断的な教育理念に根ざした本学部のカリキュラム編成は、まさしく専門分野の枠を超えて共通に求められる知識やスキル、思考法の教育を基礎として位置づけるものです。さらに同答申中においては「各種のメディアや情報を正しく用いて現実を理解する力を身につけること、国内外でのボランティア活動、インターンシップなどの職業体験、さらには、留学や長期旅行などを通じて、自己と社会との関わりについて考えを深めることも教養を培う上で重要である」と指摘されています。本学部においてはこの指摘に対応して、本学が長年培ってきた情報工学に関する研究・教育を基盤とした「工学基礎教育科目」を編成し、メディアや情報を正しく利用し、現実を理解する力の育成を図ります。又、人間社会学科においては特に「海外研修」や「インターンシップ」等の科目を配して、学生が学内のみならず学外に出かけ、これから自らが担っていくべき社会を体験する機会を設けています。

文系と理系の分類を超えて広い知識や教養の修得を目指した教育と、実践型科目を中心とした教育が融合した本学部のカリキュラム編成は、答申が指摘する「新しい時代における教養教育の在り方」を体現したものということができます。

学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー)

各学科のカリキュラムに基づき、以下の学修成果(注1)と所定の単位を修得した学生には卒業時に「学士(工学)」の学位が授与されます。

1.知識・理解能力

人間社会学科

企業、地域・国際、コミュニケーション、文化の各社会領域の組織活動・プロジェクト運営において求められるマネジメント分野における基本的・包括的な知識、理論、及び、各社会領域の特性に応じた高等な知識を修得している。さらに、それらの知識、理論を実社会において活用・応用するための知識や方法を修得していると同時に、自他の活動・運営に対しても批判的に理解し改善していく能力を獲得している。

メディアデザイン学科

画像や文章、音楽、動画などのメディアを介したコンテンツを制作するために必要なデザイン、コミュニケーション、ソフトウェアに関する正確な知識とそれらを関連付けて体系的に理解できる能力を獲得する。さらにそれらの基礎知識を学び、コンテンツとして最も効果的に伝える方法とそれを表現する芸術的感性を身につけるとともに、他人の作品に対しても批評的に理解できる能力を獲得している。

2.技能・応用能力

人間社会学科

マネジメントやコミュニケーション、情報活用の知識や理論を応用しながら、プロジェクトの立ち上げや予測不能な問題への対処等、組織活動のさまざまな局面において、組織のリーダーとして周囲と健全な人間関係や円滑なコミュニケーションを図りながら、プロジェクトの円滑な運営のためにマネジメント能力を発揮する能力を獲得している。

メディアデザイン学科

デザイン、コミュニケーション、ソフトウェアに関する知識や理論を統合・応用しながら、コンテンツの制作意図を明確に述べる表現能力や情報活用能力を用いて、周りと調和しながらメディアを介して人と人とを結ぶコミュニケーションの能力を修得している。

3.主体性・責任能力

協働グループ内、地域内での自らの役割・責任を的確に理解し、時々の学習の場面、業務の場面においてその役割・責任を果たすため、修得した知識や技術を自然環境や社会環境とのかかわりの中で主体的に役立てていく能力、及び自主的な学習・討論を通して自ら及びグループの問題発見能力や問題解決能力を検証・強化していく習慣を身につけている。

(注1)学修成果:小・中・高等学校用の学習指導要領における目標群及び「生涯学習のための欧州資格枠組み(European Qualifications Framework for Lifelong Learning:EQF)-水準記述子セット(a set of descriptors defining levels)」を援用し、初等中等教育、大学院以降の学修との関連性に配慮しながら、本学及び学科の基本姿勢に則り、学修成果の範囲と水準を規定したものである。