医療工学専攻(修士)

専攻概要

現代医療は、さまざまな科学技術の進歩をその基礎として飛躍的な発展を遂げてきました。この飛躍を支え伸展させた工学技術は、単なる医療機器の開発ばかりでなく、生体情報の処理や生体メカニズムの解析、そしてナノテクノロジーなどの生物学系・生理学系領域も含みます。医療工学(いわゆる生体医工学)は、こうした医学・生物学と工学が複合・融合する領域に位置し、その研究成果である診断機器や医療材料、医療情報システムが無ければ近代医療は成り立ちません。また、これまで職人的な色彩の強かった義肢や装具を製作し、これを利用者に適合させるための技術である義肢装具技術は、平成18年本学医療福祉工学科に我が国最初の四年制大学における義肢装具士養成課程が開設されたことから学問体系の整理と教育研究の基礎が整いました。この義肢装具学分野も現代医療の一翼を担うものであり、医療工学の一分野として将来大きな飛躍が期待される領域です。
医療工学専攻は、人類の健康と福祉に直接的に貢献できる重要で不可欠、しかも魅力的な学問、研究分野であり、より高度で深い医用工学・臨床工学そして義肢装具学の学識を身につけたうえで、様々なテーマに挑戦できる高度専門技術者または将来研究者となる人材の養成を目指します。

 

教育目的

医用工学分野では、本専攻の母体となった応用電子工学専攻生体電子システム工学分野の研究領域を継承し、医用機器と関連する生体医工学の研究を進めることで、現代の高度技術を発展させるとともに次世代技術の創成に寄与できる指導力と国際性を兼ね備えた人材育成を目的とします。また、臨床工学分野は、人工透析療法、人工呼吸器療法、心臓ペースメーカー、体外循環などにおける医学的、工学的な問題、新技術、適応など様々な側面から医学と工学の連携から研究することで臨床の場における指導的な立場で活躍する人材の養成を目的とします。そして、リハビリテーション工学分野では、義肢装具学を基盤とし、臨床医学と生命科学倫理を履修したうえで、リハビリテーション分野におけるさまざまな専門知識と研究開発手法を習得し、さらに福祉支援工学・福祉機器学・生体機能支援工学などの知識と研究開発手法を習得することを目指します。

 

教育指針

医用工学分野、臨床工学分野そしてリハビリテーション工学分野の各専門性を理解し、さらに本学の教育理念である「ヒューマニティとテクノロジーの融合」に沿った教育・研究を目指します。特に今後ますます重要で社会的な要請が高まると考えられる学際的領域研究及び国際共同研究の親展などに迅速に対応でき、海外の医療機関とも緊密な連携が取れる創造性と先見性を身に付け、さらに医療人としての倫理観を持った高度新技術の創成と教育を行います。

教育・学習目標

修士課程1年次

研究者、高度専門職業人そして高度専門技術者養成の第一段階として、知識基盤の確立と知的素養をさらに涵養した人材育成に主眼を置きます。このため、個々の学生が研究計画を自主的・具体的に立案し、研究の進捗と結果を常に検証できる能力の育成を進めるとともに多くの最新情報の提供を図ります。

修士課程2年次

研究を進展させながら、グループ討論の中で表現とプレゼン能力の向上を目指し、修士論文の完成を目指します。この間、研究成果の妥当性と客観的な評価を得るため、学会や研究会で発表し、詳細な討論を実践的に行うことで、問題点の把握や今後の展望などを適性に把握します。これにより、次世代につながる技術、新たな知見を得るとともに、高度医療技術専門職として活躍できる人材の完成を目指します。